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バイク用エンジンオイルの粘度指数とは?|粘度を理解して最適なオイルを選ぼう!!

こんにちは!MOTO-ACE-BLOGerの@Andyです。(You tubeチャンネル→MOTO-ACE-VLOG

エンジンオイル交換作業って何をするの?? そもそも、ナゼ交換が必要なの?? ライダーであれば知ってい事と思います。

愛機のオイル、何を基準に選んでいますか??  銘柄?? パッケージ?? バイクブループの中の評判?? お店スタッフのオススメ??  様々な判断基準があると思います。

 

オイルを決める要素として大きなウェイトを占めるのは、「オイルブランド」「粘度指数」ではないでしょうか。 今回は、その二つのうちのオイル粘度指数の決め方についてです。 「ブランド」については後日記す事にします♪

こんなライダーに読んで欲しい\(^o^)/
  • オイルの粘度の意味がイマイチ分からない
  • 愛機にピッタリのオイル(粘度)を知りたい
  • 粘度がエンジンに及ぼす影響を知りたい
  • エンジンオイルを選ぶ楽しみを高めたい

 

1. エンジンオイルが持つ6つの作用を知る

エンジンオイルが持つ6つの作用を知ることで、エンジンオイルがどのような役割を果たしているのか理解する事ができます。

ドロドロっとした液体を入れてもらったエンジンは、この6つの作用のお陰で高いパフォーマンスを発揮し、パフォーマンスを維持する事ができると言って間違いありません。

エンジンオイルの6つの作用
  1. 減摩作用・・メタルやシリンダーなどを流体摩擦に変える
  2. 冷却作用・・エンジンの熱を移動、交換させる。
  3. 緩衝作用・・局部的な応力を減らし衝撃を吸収する。(メカノイズが減る)
  4. 防錆作用・・エンジン内部をサビから守る
  5. 密封作用・・シリンダーとピストン(リング)を密封させる
  6. 清浄作用・・オイルフィルターにゴミを貯める為、エンジン内部の汚れを運ぶ

この中で、特に粘度指数の影響を受けるのが、「1番の潤滑」と、「5番の密封」です。 なぜ影響を受けるのか?? その理由がわかると、必要な粘度指数というのがだんだん見えてきます。

CRE556(クレ556)とか、ラスペネとか、WD40などは潤滑スプレーとか、潤滑剤って呼びますよね。 そのスプレーを使うと、キコキコ言ってたネジがクルクルっとスムースに回ったり、サビた部品が動くようになったり。

潤って滑らかに動く時に使う言葉です。 潤う=液体が存在するので、業界用語で”WET”なんて言ったりします。 その対義語で、このネジは”DRY”締め付けで! なんて言う事もあります。まさにエンジンオイルという液体を使って、エンジンを滑らかに動かす訳ですから、潤滑オイルですね! (あたり前すぎて何言ってんだ!) この液体という形態がクセ者で、解りにくい要因の一つです。

 

1. 減摩作用

エンジンオイルのお陰で、摩擦力を大きく減らす事ができます。 エンジンは基本的に金属部品の集合体です。

金属がエンジン内部でグルグルと高速回転したり、上下左右に往復運動をしたりしています。 当然、金属同士がこすれ合う訳ですが、こすれ合うスピードが速すぎて大きな摩擦抵抗を生みます。

摩擦抵抗が生まれると、摩擦熱が発生!! → 金属が膨張 → 金属同士が削れたり、熱で膨張し過ぎて動けなくなってしまいます。 ※この熱膨張して金属部品が動けなくなる事を「エンジンの焼付き」と言います

焼き付いたピストン

写真はピストンと言う部品で、エンジンの内部で超高速で往復運動をしていアルミニウムの部品です。 エンジンオイルのお陰で、金属と金属が直接触れる事はありません

なんらかのトラブルで、エンジンオイルが上手く供給されない、オイルが劣化した場合は、金属同士が直接接触してしまいます。→ すると上写真の右のような状態となり、とても高額な修理交換代金が必要になります。

 

2. 冷却作用

バイクのエンジンはガソリンに火を付け、燃焼させる事で大きな力を生み出しています。 (その為、排気ガスやマフラーは高温になる。)

エンジンの内部はマフラーや排気ガスよりもっと高温になっています。 ガソリンがエンジン内で爆発(正確には燃焼)する部屋は更にトンデもない高温。

この高音になった金属にエンジンオイルが接触する事で、高熱の金属 → エンジンオイル へと伝わります。 エンジンオイルは高温になった金属へ触れる事で、温度を下げてくれる働きがあります。

 

3. 緩衝作用

エンジンオイルは様々な金属部品の間に入り込んで摩擦を減らし、金属部品の滑りを良くしている事がわかりました。

エンジン内部で動いている金属部品は、その動くスピードがとても速いんです。本来なら、金属同士がぶつかり合えば大きな衝撃と衝撃音が発生!!

しかし金属金属間に液体のエンジンオイルが居る事によって、衝撃を和らげ、衝撃音を低減しています。

 

4. 防錆作用

バイクやクルマのエンジンは精密部品のオンパレードなんです。 金属同士のすき間(クリアランス)を0.05mmに設定している精密な部品もあります。

そんな部品も、素材は鉄ですから放っておけば ”サビ” てしまいます。 こうなったらエンジンは動けませんのでサビは絶対にNG。 ここでもやはりエンジンオイル!! オイルが付着することで空気を遮断し、精密で大切な部品をサビから守っています。

 

5. 密封作用

これは主に、「ピストン 〜 シリンダー」の事を指します。 シリンダー(筒)の中を、ピストンが高速で往復運動をして動力を取り出します。

往復運動をするには、「シリンダーの直径 > ピストンの直径」 でなければなりません。この2つの部品の直径の差が大きい(すき間が大きい)と、圧力がすき間から逃げてしまうためエンジンパワーをロスしてしまいます。

このすき間を埋める役割を果たしてくれているのが、エンジンオイル!! ←コレ、知らないライダー多いので自慢してね(^o^)

粘度が高い(ドロっとしている)ほど、すき間を埋める作用は高まる。→つまりパワーアップに繋がります♪♪(駆動ロスは増加するのでトータルでどちらに取り分ああるかは一概に言えません^^;)

 

6. 清浄作用

エンジンで燃えたガソリンは、排気ガスとなってマフラーから排出されます。 しかし全部がマフラーから出ていくのではなく、一部はエンジンのすき間(ピストン〜シリンダー)を通って内部に流入し、オイルと排気ガスが接触します。

排気ガスがエンジン内部に入るので真っ黒い ”すす” もエンジン内部に堆積。 そのままでは性能が落ちてしまうのでエンジンオイルは ”すす” を拾い集めてくれる作用があります。

拾い集めた ”すす” は、オイルフィルターまで運ばれてキレイにろ過しされます。 但し粒子が非常に細かく小さい”すす”はオイルフィルターを通り抜け、キャッチされる事はありません。 こうして段々とエンジンオイルが黒色へと変化するんですね♪♪

 

2. エンジンオイルの低温側粘度指数の意味

低温側の粘度指数は「エンジンの冷間始動可能な外気温の目安を指しています。

外気温の目安。つまりオイルの粘度ではありません。 始動可能温度との相関は下記の通りです。

低温側粘度指数の外気温目安
  • 0w = −35℃
  • 5w = −30℃
  • 10w= −25℃
  • 15w= −20℃
  • 20w= −15℃

    いかがでしょうか。 このブログをご覧頂いているライダーで「俺は気温−15℃の時にバイクのエンジン掛けるゾ!!」 って方はまず居ないと思いますw 北海道の郵便カブは雪道をチェーン巻いて走るから0wが要るかw!

    つまり、この低温粘度指数というのは、「エンジン始動のとき、オイル6つの作用を保証できる、最も低い外気温」を示しています。 なぜこんな事を記載する必要があるのか? → それはアメリカがこの規格を作ったからです。

    アメリカは温度の単位が℃でなく、℉で表します。(外気温20℃は、68℉)

    アメリカ国内だけの流通なら粘度指数表示を止めて、直接保証温度を記載するのもアリだと思います。 しかし輸出するとなると、相手国によって単位がバラバラでは分かりにくい!  オイルと名のつく物は温度によって粘度が変化するから、統一した規格を作ろうじゃないか! となりアメリアカの粘度指数表示が世界的に普及しました。 SAE規格=Society of Automotive Engineers(アメリカ自動車技術協会)

     

    なぜエンジン始動時なのか?

    その昔、クルマの性能があまり良くなかった頃は、オイルの機能、性能もあまり良くありませんでした。 広大なアメリカを南北に縦断すると、灼熱の地極寒の地同じ国内に存在します。

    暑い地域でちょうど良いオイル粘度のまま寒い地域に行ったと仮定しましょう。

    行き先でエンジンが完全に冷えると、外気温にともなってオイルも硬くなります。

    用事も済んだことだし、さあこれから暖かい地元へ帰ろう!

    とエンジンを始動しました。エンジンは掛かりましたが極寒の地は寒く、オイルが硬くドロドロになっています。

    オイルポンプが硬〜いオイルを送る事ができずに、エンジンが焼き付いてしまう!! と言ったトラブルが多発していた歴史から来ています。

    科学合成油がまだ開発されておらず鉱物油しか無かった時代、ドライバー自ら外気温の変化を把握しなければならない事から、粘度指数表記が必要になったという訳です。

     


     

    バイクのエンジンはクルマに比べ油路の距離が短いので、その分エンジンの隅々までオイルが行き渡る時間も短く済みます。仮に低温側20wの粘度指数を入れても、始動可能温度は-15℃ですから、なんら問題無いことはお分かり頂けるでしょうか。

    でも、オイル交換の時、同じオイルブランドと銘柄で指数だけを変えて見ると「差」を体感できます。 特に真冬のエンジン始動直後のアイドリングなんかは、差がでやすいので冬にオイル交換するのも面白いかもしれません!

     

     低温側粘度指数のまとめ

    「エンジンを冷間始動する時の、エンジンオイル機能・性能を保証する外気温の目安

    エンジンオイルはエンジン始動後、温度が上昇し、粘度は柔らかくなりサラサラして行きます。 つまりエンジンの暖気完了後にはもう参考にならない数字と言うことです。

    よって、エンジンが温まった状態での始動は、高温側の粘度指数を見なければいけません

    最近のクルマのトレンドは、低温側指数を下げ、流動性を上げる(よりサラサラにする)事で各部へオイルを早く運び、エンジンの耐久性向上をを狙っているようです。

     

    3. エンジンオイルの高温側粘度指数の意味

    オイル温度100℃における、動粘度を示しています。*油膜の切れにくさと捉えてもOK

    言い換えると、エンジンオイルの本領発揮すべき温度での油膜の切れにくさ=動粘度です。

    動粘度の測定方法は、細い管の中に規定量のオイルを入れ自重落下させた時に、全てなくなるまでに要した時間を元に計算します。

    バイクに例えるなら、シリンダーにオイルを10cc付着させた時、全てのオイルがオイルパンに落下するのに要した時間です。

    硬いオイル(ドロっとした)ほど落下するのに時間が掛かりますよね。 つまり油膜が厚い分それだけ切れにくいと言う事を意味します。 高温側指数30よりも、40の方が油膜が強固であると言う理解で間違いありません。

    ここで「油膜が強固である=硬いオイル=燃費の悪化」 と考える方が多いと思います。 しかし全てのエンジンがそうなる訳ではありません。

    油膜が強固であると言う事は、シリンダー、ピストン、ピストンリングの密閉も強固になり、燃焼圧力のロスが減り燃費が向上する要素になるからです。

    粘度が低いと、燃焼圧力はブローバイガスとなってクランクケースに流出し、エネルギーをロスしています。 このロスを減らすには、強固な油膜を作って密閉させるほかありません。 つまり硬いオイルが必要なのです。

    しかし硬いオイルにはデメリットもあり、オイルポンプを駆動する為に余計なエネルギーが必要になります。 硬いオイル、柔らかいオイル、どちらの方がメリットを見出せるのか?? それはユーザーの乗り方やエンジンコンディションによって決まります。。

    オイルの粘度による性能差はトレードオフの関係にあるので、まとめを作成したました。

     

    粘度指数が高い(硬い)オイルの特徴

    ココで言う”硬い”の意味は「高温側粘度指数が、純正指定より高いオイル」の意味です。

    目安として、純正指定の粘度+10〜15程度でOKです。 ※Andy's CBRは純正指定30に対し、Motulの50を入れています。

    硬いオイルのメリット
    • エンジンのすき間(シリンダ〜ピストン)を密封しやすく、出力ロスを低減できる。
    • エンジン内のメカノイズを低減できる。
    • エンジンの部品同士の衝撃を和らげ、振動が低減する。
    • エンジン耐久性が向上する。
    • エンジンが高温でも強い油膜をつくれる。
    硬いオイルのデメリット
    • オイルポンプ駆動に更に力が必要でロスが増える。
    • せん断抵抗が増え、出力ロスが増える。
    • エンジンレスポンスが悪くなる(鈍感な反応)
    硬いオイルを活かせるシチュエーション
    • ”旧車”と呼ばれる部類で、設計時のエンジンクリアランスが広いモデル
    • 走行距離が多く、各部の摩耗進行が考えられる場合
    • 真夏にワインディング走行で酷使する場合
    • 耐久性重視で長く乗り続けたい場合

    ピストン〜リング〜シリンダーなど、エンジン内部のクリアランスの大きい旧車オーナーは、硬いオイルの方が燃費が良くなります。更に耐久性UP&エンジンノイズも低減できます。

    純正指定の粘度のオイルを交換しつづけて問題が起こる訳ではありません。 ライダーによってはワインディングオンリー!! とか高速道路をアクセル全開でフルスロットル!!(法定速度に収まるのか!?) なんて方も250ccバイクならあり得るでしょう。

    硬いオイルに変更した場合の特徴と愛機の特性や使い方を考慮して決めると、オイル選びも楽しくなるはず♪♪

     

    粘度指数が低い(柔かい)オイルの特徴

    ココで言う”柔らかい”の意味は「高温側粘度指数が、純正指定より低いオイル」の意味です。

    柔らかいオイルのメリット
    • オイルポンプの駆動ロスが減り、最大限のエンジンパフォーマンスを出せる。
    • せん断抵抗が低減し、エンジン出力が向上する(馬力が出る)。
    • エンジンレスポンスが良くなる。
    • 燃費が向上する。
    柔らかいオイルのデメリット
    • オイル油膜が弱くなるため、エンジンの耐久性が悪化する。
    • エンジンすき間(シリンダ〜ピストン)の密封しづらく、ロスが増加する。
    • エンジンのメカノイズが増える。
    • エンジン振動の吸収力が弱まり、振動が増加する。
    • 低回転で油圧が出にくい。
    柔らかいオイルを活かせるシチュエーション
    • レーサー車両でエンジンパフォーマンスを高めたい時
    • エンジンレスポンスを俊敏にしたい時
    • ワインディングで、ヤツだけには負けられない時
    • 直線番長になりたい時
    • 北海道など常に走りっぱなしで燃費を良くしたい場合

    バイクの場合、純正の高温粘度指数は30以上のモデルがほとんどです。(20ってあるのかな・・?)

    純正指定が40のモデルに30を入れて、エンジンが即座にぶっ壊れました!! みたいなことは起こりません。 しかし長い目で見たときの耐久性は必ず短く変化しています。 つまりいつかぶっ壊れるw

    エンジンパワーを得れば、耐久性が必ず犠牲になります。 それでもパワーが欲しいゼ!! って時に10番下げる手法はアリです。

    ツーリング重視!高速道路が多く一定の回転数で走る事が多い!と言った使い方なら、柔らかめのオイルの方が燃費向上の恩恵をより多く受けられると思います。

     


     

    また最近のオイルで化学合成且つ高温側指数40番以上の物は、ポリマーが多く含まれています。 粘度を上げる事なく、強く厚い油膜を形成してくれる凄いヤツなんです☆  しかし、この凄いポリマー君はあまり耐久性がありません。 熱に弱く、性能をキープするには少し早めのオイル交換が必要です。

    私と同じGPZ系エンジンにお乗りのZRX、ZZRオーナーの方は、全員4番イン側カムが「カジる」( ;∀;)と言う持病を抱えていますので、ポリマー系40番以上のオイルが絶対! と言っても過言ではありません。→ZRX・GPZ・ZZR系エンジンにオススメのオイル

    最近のバイクは、水冷エンジンが多く水温計が装備されていると思います。 エンジンオイルの温度目安は、水温+10

    〜15℃と言われています。

    一番性能を発揮させたい水温+15がエンジンオイルの美味しい温度になるように、粘度を選定してあげると、ベストなオイルが選べる事は間違いありません。 油温計を装備すればオイル選びは最強ですね!

    4. よくあるオイル粘度の勘違い

    0w-30のオイルは、「0w」のオイルと「30」のオイルを混ぜて作るんでしょ!? と勘違いしやすいポイント。

    表記は低温側高温側の二つですが、中身は一種類です コーラとオレンジジュースを混ぜて2つの味を楽しむ事ができないのと同じです。するとこんな疑問が浮かびます。

    マルケス
    「0w-30」と「5w-30」ってどっちがイイオイルなの??

    池上先生

    「高温側の指数はどちらも同じだから、低温始動性の良い0w-30じゃない!?」と思った貴方!!

    半分正解! 半分間違い!なんですねー!

     

    この場合、0w-30の方が温度によるオイル粘度の変化率が少ない事がわかります。

    そして同じ30なのに、粘度は[5w-30]よりも[0w-30]の方が高いのです。 これは実際に計算する時にグラフを書くとわかるのですが、ココでは割愛します! そう言うもんと覚えてください。

    高温側指数が同じ場合、低温側指数が低いほど温度による粘度変化が起きにくい良いオイルです。

     


    では次の場合は、どちらのオイルが性能が良いでしょうか?

    ・「10w-30」

    ・「15w-50」

    正解は、高温側&低温側の変化が少ない「15w-50」です。

    この粘度指数の低温側と高温側の差が大きいほど、オイルが温度による粘度変化を起こしにくい事を意味します。

    逆に、粘度指数の差があまりない(例えば20w-30とか)オイルは、冷間始動の時はドロドロっとしていて、高温側はシャバシャバしている。と言えます

    エンジンオイル粘度のおさらい
    1. 低温側粘度指数=エンジン冷間始動時の参考外気温を意味する。
    2. 高温側粘度指数=エンジン高温時の油膜の切れにくさを表す。
    3. 高温側ー低温側粘度指数の差=差が大きい方が、温度によって粘度変化が少ない高性能なオイル。

     

    5. ピッタリなオイル粘度の決め方

    1. 高温側の粘度指数を決める。

    • 基本は純正の指定。
    • 走行距離が多い場合は、エンジン内部の各部クリアランスが広がっているので、ワンランク高い高温側粘度指数を選ぶ。特に旧車の場合は2ランクでもOK。
    • パワーが欲しい! 時には、ロスの少ない高分子ポリマーが入ったワンランク高い粘度指数のオイルを選ぶ。
    • KawasakiのGPZ系エンジンの場合、持病を持っている為、粘度指数は最低40以上を選ぶ。個人的には50がオススメ!

     

    2. 高温側と低温側粘度指数の差を見て、低温側粘度指数を決める。

    • あくまで冷間始動の指数ですので、15wでも問題はありません。
    • 温度依存が少ないかどうか?を図る事のできる数値と思ってください。

    いかがでしたでしょうか? オイルの粘度指数と、粘度の関係性からオイル選びの楽しさが増して頂けたらウレシいです!(^^)

    よく、オイル交換後、「ノイズが減った!やった!」的な感覚があると思います。これは低温側粘度指数が高い物に交換すると、冷間時にはオイル油膜が厚く、緩衝作用によってノイズが減ったように感じます。

    でも、、、エンジンが温まってしまえばノイズはまた大きくなります。
    いいオイルは、冷間時と暖気後に変化はあまりありません。 実はこんなカラクリがあったりしますw^ ^

    私ANDYのオススメオイルは、Motulの300v 15w-50です。CBR1000RRと、ZRX1200R両方に入れています。300Vの特徴としてKawasakiオーナーが喜びそうなくらいの、蛍光ライムグリーン色です。お陰で劣化するとオイルの色がだんだんと茶色→黒へと変化していきますので分かり易いです。

    ]

    まず高温側粘度指数50を選んでいる理由は、エンジンの耐久性を重視している為、厚い油膜をキープしたいからです。 この先も売るつもりなく一生乗る予定なので、なるべくエンジンの磨耗を抑えたい。 ポリマーがたくさん入っているので劣化は早いが強い油膜と低粘度を両立してくれます。

    低温側粘度指数15wは、あまり頻繁に乗らないので、オイルが下に落ちにくい事が理由です。

    ZRXの場合は特に4番IN側カムに付着してくれていたオイルが、しばらく乗らないとタレて居なくなってしまいます。 そこで冷えた時の流動性を考えると、高い指数の方がオイルがカムに付着したまま残ってくれます。

    越冬してw春にエンジンを掛ける時、油路にオイルは無く供給されるまでの数秒間がノンオイル!! この時だけは残留オイルが頼りなんです!  CBRは純正指定で心配無用ですが、ZRXは純正指定で大きいに心配!!w

    ZRX1200Rの油圧モニター

    こんな感じで、常に油圧と水温の関係性をモニタリングしています♪♪

    オイルの粘度指数を疑問に思っているライダーの疑問解決のお手伝いができれば幸いです。

    Let'S Fun! Ride! Run!
    Andy

    --コメント--
    1. はじめまして!
      いつもタメになるお話しばかりで、楽しみに読んでおります。
      質問ですが、
      スズキのGSX-R1000の2009年式で、走行距離約6万キロ、街乗りメイン、頻繁に乗らない、エンジン保護目的、一生このバイクに乗り続けたい
      この場合、オイルはモチュールだと、
      300Vの15W-50
      もしくは
      300Vスクエア10W-50
      のどちらかなら、
      どちらがおすすめでしょうか?

        • お返事ありがとうございます!
          お手数ですが、簡単で結構ですので300Vの15W-50を選ばれる理由を教えて頂けませんでしょうか?
          お忙しいところ申し訳ございません。

    2.  本当はCCSCモデルの開発者、久保田邦親博士に聞くのが一番なんでしょうが。
      雲の上の人なのでチャンスを作るのは難しいでしょうね。

    3. こんにちは。ホンダレブル250中古なんですが現在納車待ちの状態です。購入時の走行距離が5千キロ台なんですが
      オイルと水冷なので冷却水には拘って乗りたいと思ってます。オイルに関しては純正で10w-30なので現状のままが
      良いのか?或いは少し番手を上げて10w-40辺りが良いのか?今は寒い時期でもありますがオイルの低温側は
      15wや20wまで上げても良いのか?或いは10wのままでも良いのか?高温側は指定の30より少し上げて40で使って
      みたいのですが・・・・低温側をどうしようか?と悩む所でもあります。或いは指定の10w-30のオイルでメーカーや
      オイルの質を拘った方が良いのか?この辺りイマイチ分かりませんが・・・

      場所柄、氷点下にはなる事は殆どありません。週末車並みに多分ですが乗る機会は少ないと思います。
      動かす機会は週末だけになると思うので置いておく方が長いと思います。

      この乗り方だとオイル交換は年に2回で良いのでは?とバイク屋の見解ですが
      この程度の交換でもバイクは問題ないと思われますか?
      車の方も同様の乗り方なので年2回のオイル交換やってます。

      水冷ということもありオイルではありませんが冷却水でSQクール・・他の冷却水と比べてどう思われますか?
      或いはお勧めの冷却水などもあれば教えて頂きたく思います。

      今回、初めて買うバイクなので末永く乗って行ければ・・と思っております。

      質問は以上です。。。

      • まるおさん  コメントありがとうございます。 納車されるのが待ち遠しいですね!! ♪(´ε` )

        私のオススメは下記↓の通りです。
         ・オイル粘度:10wー30
         ・オイルブランド:ウルトラG1(Honda純正)
         ・オイル交換サイクル:毎年春(3月)に1回交換
         ・冷却水:HONDA純正のウルトララジエター液50%希釈

        まるおさんから頂いた情報を元に検討させて頂き、
        「バイクのコンセプト、まるおさんが週末にツーリング目的で乗る」 事と仮定しました。

        HONDAエンジンは非常に厳しい耐久試験を行なっているので、ちょっとやそっとじゃ決して壊れません。 長く性能を維持するには適切な
        タイミングでメンテナンスが必要です。 

        HONDAの指定交換サイクルは1年または走行距離10,000kmに達するどちらかが早い方となっています。

        厳しい性能試験と耐久試験をクリアした実績のある純正指定で揃える事は、最も大きな安心を手に入れる事と同じです。
        その上で、純正よりも伸ばしたい性能が見つかった時に、純正品よりもパフォーマンス向上が期待できる商品へ交換すると良いと思います。

        より高いエンジンパワーと、より長い耐久性が必要なら、MOTUL300Vの15wー50がオススメです。
        しかし必要としていないところに投資をしても無駄にコストが掛かるだけなので、その分は人間のツーリング先の燃料代に
        する方が有効と思います( ◠‿◠ )

        具体的に伸ばしたいエンジン性能が明確になった時に、その目的を達成できるオイルは、どんなオイルか?と言う順序で考えると
        考えやすいと思います。

        冷却水に関しては、強く強く!!  HONDA純正をオススメします。
        と言うのも、冷却水はLLC(ロングライフクーラント)と水道水(または蒸留水)を混ぜて使用します。  冷却水は漏れてはいけませんから、エンジン内部には様々な漏れ防止用のゴム部品が存在します。 そのゴム部品と相性が最も良いのは、間違いなく純正品です。 またサビに対する実績も高いので、 レブルを長く乗る事をお考えなら絶対にHONDA純正のLLCを選択すべきです☆
        つい”冷却”という性能を気にしがちですが、同じくらい”防錆”と”防漏”も大事な性能です!!  濃度は30%がオススメです! *雪国は50%

        SQクールは、水温が下がった!  より冷却できるようになる! とありますが、残念ながら絶対にあり得ません。 比熱から計算すれば一発でウソであるとわかります。

        ご参考になれば幸いです! ^ - ^

         

    4. Andyさん、初めまして、こんにちは。

      いつも記事を参考にさせてもらってます。

      自分は最近、新型CBR250RRを購入し、アホのように頻繁にオイル交換をしています(*´∀`)

      現在、走行距離1200km程度なのですが100kmと300km、そして1200kmの時点で3回目のオイルを交換しております。

      そこで使用しているのがリキモリのオイルなのですが、現在はストリート向けの「10w-30」の粘度のものを入れているのですが、この記事を読んでもっといいオイルを入れてみようと思いました。

      リキモリオイルだとレース車用向けの「5w-40」と「10w-50」と「10w-60」があるのですが、どれがCBRに一番良いと思いますか?

      まだまだド素人なのでサーキット等は走っておらず、普通に街乗りと高速道路、峠道なんかを走っています。

      しかし、普段は「250ccはエンジンも回してナンボのものだ」と思い、結構回して乗っています(´・ω・`)

      仕事上オイルは格安で手に入るので値段は気にせずに、これからも交換サイクルは500kmから最低でも1500kmに一回のペースで考えています。

      • 【新米整備士】J.Jさん  コメントありがとうございます!

        整備士さんとの事で非常にうれしいです♪ 是非信頼される整備士になってください!

        「一番良いオイル」=「必要とするエンジン性能を満足する」という式になります。  例えば、今後長く付き合うバイクで「耐久性を最も重要視する」のであれば、高温側粘度指数を上げるべきです。 上げるほどにドロっとしたオイルになり、油膜が厚くエンジンの耐久性は向上します。

        「エンジン出力を最も重視する」のであれば、高温側粘度指数は小さければちいさいほどエンジンパワーを得る事ができます。 そのかわりサラサラしたオイルになるので耐久性を犠牲にする事になります。

        純正指定粘度は10w-30なので、まずはこの粘度でナラシが終わり、あたり付を行うのがおススメです。 バイクに慣れた後に、高温側粘度を+10、 -10をそれぞれ試すと違いがハッキリわかるのでオモシロイと思います。

        リキモリのオイルは未経験ですが、私なら5w-40を選択します。 HONDAエンジンは耐久性が高いので40以上のオイルは不要です。 (我が愛機のZRXは50番が必要・・・泣)

        交換サイクルが1500キロというのはかなり愛車を大切に想っている証拠ですね☆!(^^)!  しかしさすがに現代のオイルは1500kmで性能劣化はしませんので、もう少し伸ばしても大丈夫ですよ!   とはいえ、オーナーがオイル交換を楽しんでいるのなら、例え100kmで交換してもOKです^^  愛車を大事にする事はバイクライフを大切にする事と同じですからね。  是非整備士ライフとCBRライフを楽しんでください!!  

        • わぁ……返信ありがとうございます!
          こんな風にほめられたことが、なかったので感謝感激です( ;∀;)

          また、もうひとつAndyさんにご相談があります、聞いていただけないでしょうか?

          現在の走行距離は1300kmちょっと…購入した際、ホンダドリームさんに『慣らしはいらないよ~』なんて言われて、不審に思い、絶対慣らしは必要だと決心していたのですが、乗っているとついつい10000回転以上回してしまいます…

          速度も高速なんかで一度170キロちょいまで…普段も120キロ位は出してしまいます…

          そして、(あぁ…まだこんなに出しちゃいけないのに…ごめんよCBR)と本気で後悔。

          今からでもエンジンを回しすぎないようにしたりスピードを押さえ、エンジンにダメージを与えないように運転すれば、将来的には変わってくるものでしょうか?(。>д<)イミフメイ

          自分でも何言ってるんだってわかっているんですが、こんなことをやはり周りに話せる人が居なく、不安で仕方ありません。

          オイル交換度にキラキラとした鉄粉が出てくるのを見て、『最近のバイクでも意外と鉄粉なんか出るもんだなぁ』なーんて先輩整備士の方に言われました。

          そして、今日何気なくネットを見ていると新型CBR250RRの不具合ページを見つけ、そこを見るとこのページにたどり着きました…

          https://ameblo.jp/komaki-ricoland/entry-12313235079.html

          まだまだ本当に新米でへっぽこの、整備士を目指しているのに全然知識が乏しく、腕もない自分ですが書いてあることはすこーしだけ理解できました。

          いわゆる、エンジン内部の不具合、というか作りの荒らさ?が原因で起こることですよね?

          これって販売されたCBR250RR全てにあてはまるのでしょうか?

          この記事を見て、明日にでもandyさんが仰っていた『粘度の高いオイル』に変えようか悩んでおります。

          くだらなく、長い、支離滅裂な文章で申し訳ないのですがプロの整備士経験のあるAndyさんにお返事をいただけると安心できます。よろしくお願いします(´・ω・`)

          • まずもって、HONDAに限らず国産車のバイクはナラシは「絶対必要」ではなく、「ナラシするとイイよ!」のレベルです。 ですから新車で購入して次の日からバンバン走っても壊れる事はありませんので安心して下さい。

            ただ、丁寧にナラシをすればキッチリとエンジン部品にアタリを付ける事ができ、良いコンディションを長く保てる事は確かです。 ですから10000回転以上回しても全く問題ないので安心して下さい♪♪!(^^)! 

            ダメージが気になるのであれば、やはり固めのオイルを入れてあげるのがベストです。特に高温側粘度指数が重要ですから、「5w-40」もしくは10w-40」が良いでしょう。  個人的には「10w-40」がおススメです。

            エンジンがダメージを受ける時は、始動直後が一番ダメージを受けやすいです。  それはオイルポンプが駆動してオイルに圧力が掛かり、エンジン内部に行き渡るのには時間がかかるからです。 ポンプから一番距離があるところにオイルが供給されるまでタイムラグがあり、オイルがまだ来ていない時にもエンジンは掛かっています。 ほんの数秒しかないのですが、バイクは何か月も乗らなかったり、雪のシーズンは全く乗らない事もあります。

            そんな時には、オイルが地球の重力で下に落ちてしまい、シリンダーの壁などに残りません。 オイルが残っていない時にエンジンを始動し、オイルが送られて来るまで少ないオイル(もしかしたらほとんど無いカモ)で潤滑する事になります。

            このタイムラグの間に少しづつ少しづつエンジンを消耗していきます。 なのでエンジンを停止したらなるべく残ってくれるオイルが良い訳です。  エンジン停止して冷えた状態での粘度は記事にも書いたように低温側指数ですから、5wよりも、10wの方がシリンダー壁に残りやすい事になります。エンジンが温まってしまえばこの低温側指数は関係ありません。 

            と言う事から、エンジン保護と、パワーを両立させるなら、まず選択すべきオイルの粘度は10w-40がベストと考えます。

            次にどのオイルブランドが良いか!? となりますが、私はリキモリのオイルを試したことが無いので何とも言えません。。。(申し訳ない)
            私が愛用しているMotul(フランスのメーカ)であれば高い保護性能を維持したまま、エンジン出力もロスなく発揮してくれます。
            と言う事から、Motulの300Vがおススメです。 リンク → Motul300V Factoryline 10w-40

            リンクのブログ内容は拝見しました。 愛知県にあるライコランド小牧店のブログですね! 近いので良く行きますw  結論から言って、ピストンに一か所大キズがある以外は全くと言っていいほど問題ありません。 (写真だけでの判断ですが) 鉄粉の出ないエンジンなどありませんから出て当然ですし、キズの入らないエンジンもありません。  HONDA車のエンジン耐久テストはとてもとても厳しいので、キチンとオイル交換をしてメンテを欠かさなければ壊れる事はありません。

            なので安心してもらって大丈夫ですよ!  300V 10w-40を入れて、「半年に一回」若しくは「走行距離3000km」のどちらか早い方で交換してあげれば完璧です!  *ちなみに自分は1年に1回しか交換しませんケド(=^・^=)

            また何か分からなければ、お気軽にごれんらください!  気温が低くなって冷えゴケの季節なのでお気をつけくださいね☆

            • Andyさん、ありがとうございます( ;∀;)

              特に、エンジンの件はやはりプロの方に相談するのが一番かと思い、相談させてもらいましたが、とても説得力があり、納得もできました!

              これでやっと夜も眠れます(笑)

              他の記事も大変タメになるため、毎回欠かさず見てます。

              特に最近ではホイールベアリングのことについてかなり勉強させて頂きました。

              ここまで分かりやすく、詳しく説明してあるブログはなかなか無いのでとてもありがたいです(о´∀`о)

              これからも応援していきますので、是非、色々な整備情報を発信し続けてください!!

              PS、自分なんかがリクエストなんてことは厚かましくて申し訳ないんですが、マフラーの内部構造や素材、種類ごとの特性、その他知っておいた方が良いことなんかも記事で見てみたいです!

    5. 初めまして。いつも楽しみに読んでいます。
      水温、油圧計を探してるのですが、cb400sfに上の写真と同じ物は取り付け出来ますでしょうか?
      メーカーも品名もわかりませんが…

      • 緑区の二児のパパさん

        こんにちは。こめんとありがとうございます!  CB400SFでしたら取付可能です。 今は製品が新しくなって「デジタルモニターV4 レブ&テンプ」と言う商品です。

        このモニターの他に油圧センサーアダプターと、油圧センサー、温度センサー、取付ステーが別途必要になります。  これらの部品は在庫している店とそうでない店があるので購入するショップに相談するとよいと思います。

        あとは取付に必要な工賃が別途必要です。 タンクを取外し電源を分岐する必要があるので1万円は超える金額になると思います。  緑区にお住まいでしたら、「緑二輪館」が「バイクワールド名古屋」がおススメです。  バイクワールド名古屋は目の前にショッピングモールがあるので、午前中に預けてお子さんと寿がきやでランチして少しプラプラしている間に作業完了できます。

        名古屋店は私の古巣でもあるので、不具合やトラブル対応もしっかりしていて安心です☆  

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