こんにちは!MOTO-ACE-BLOGerの@Andyです。(You tubeチャンネル→MOTO-ACE-VLOG)
2018年5月1日に鈴鹿サーキットフルコースライドオンの走行枠を使って、ブリジストンとダンロップのスポーツタイヤの比較テストをしてきました。
比較する目的:スポーツタイヤのサーキット性能を徹底比較し、タイムを縮められるタイヤを白黒ハッキリさせる事。
実際スポーツタイヤを選ぶ時って様々な情報を収集すると思います。 店頭に置いてあるカタログ、スタッフからの情報、タイヤメーカーのエンジニアから話をきく、ネット情報を見る、様々な方法と媒体があると思います。
しかし、どの情報もほとんどは、「ライフ伸びました!」と「グリップ良くなりました!」の二つじゃありません??
確かに、新型のタイヤは旧モデルに比べ、ロングライフ&ハイグリップになっているんでしょうけど、実際比較してる人って見た事ありません。 タイヤメーカーのテストライダーは、日々様々な比較テストを行っていますから、性能は丸裸になっていると思いますが、その情報が表に出てくる事はありません。
もちろん、バイクメーカーもタイヤテストは多く行っています。がやはりその情報が表に出る事はありません。
ならば!! 自分で比較してやれば誰にも文句言われずオープンにできるじゃないか!! って事でやったりました!!ww テストしたタイヤは自腹で購入しているので、全て本音です! BS&DL社には一切気を遣っておりません!!w
普段の街乗り、ツーリングでは圧倒的に「ツーリングタイヤ」か「スポーツタイヤ」を選ぶライダーがほとんどです。
サーキットやワインディングONLY! ってライダーは迷わずハイグリップを装着すると思うので、今回は敢えてスポーツタイヤのポテンシャルを確認する意味で、S21とロードスポーツにしました。
記事の目次
1. 結論:鈴鹿サーキットではブリジストンS21の方が3.1秒タイムが速い
- BS S21 : 2分24秒88
- DLロードスポーツ2 : 2分27秒94
ブリジストンS21の方がラップタイムが3.1秒速い。 サーキットと街乗りの両方を楽しめるタイヤは現在S21である! との結論に至りました。
絶対的なグリップ力に差は感じられませんでしたが、S21のコントロール性の高さがラップタイムにダイレクトに影響しました。 SS車に履かせるスポーツタイヤは性能の優れるS21がオススメです。
*それぞれ走行動画を撮影しているので、こちらも後日アップロードします。
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2. タイヤ比較テストの条件
比較テストをした時の様々な条件です。
条件1. サーキット
- 走行コース:鈴鹿サーキットフルコース(5.821km)
- 走行時間:30分間/1本 (2周の先導走行含む)
- 路面温度:44℃
- コースコンディション:DRY
- 気温:25℃
- 天気:快晴
- 走行台数:49台 (Max50台)
当日は高気圧に広く覆われ、薄くもが掛かる時もあるが、概ね日差しが差し込み、路面温度も上昇した絶好のテスト日和となった。 走行台数50台に対し、予約が49台と大変多いセッションとなりました。 鈴鹿サーキットスタッフに聞くところ最近はビッグバイクのお客様が増えているとの事です。
条件2. 比較するタイヤ
今回テストするブリジストン製S21と、ダンロップ製ロードスポーツ2のタイヤ条件は下記の通りです。
タイヤ条件 | ブリジストン S21 | ダンロップ ロードスポーツ2 |
---|---|---|
Frタイヤサイズ | 120/70ZR17 | 120/70ZR17 |
Rrタイヤサイズ | 190/55ZR17 | 190/55ZR17 |
タイヤの状態 | 新品 | 新品 |
テスト空気圧1 (走り出し) | Fr2.5k Rr2.9k | Fr2.5k Rr2.9k |
テスト空気圧2 (温間時) | Fr -0.2k(2.9→2.7) Rr -0.3k(3.5→3.2) | Fr -0.2k(2.8→2.6) Rr -0.3k(3.4→3.1) |
タイヤ重量 (新品時) | Fr4.2kg Rr6.9kg | Fr4.4kg Rr7.2kg |
前半15分をバイクメーカー指定の空気圧(冷間合わせ)にて走行。
次に後半15分を推奨空気圧より、Fr0.2k、Rr0.3k低くした状態で走行します。(温間から低くする。)
*参考→バイクでサーキット走行する時のタイヤ空気圧
この空気圧の差でグリップ力に差が生まれるかどうかを検証します。
条件3. テスト用バイクCBR1000RR(SC59)
タイヤテストする時のマシンの条件は下記の通りです。
- マシン:CBR1000RR 逆輸入車 2013年式
- ガソリン:満タンスタート
- サスペンション:ノーマル仕様
- ファイナル:16×42
特に重量が変化してしまうと、タイヤへ与える影響やフィーリングに変化が起こるので、どちらも満タン合わせにてスタートしています。
それ以外の部分はサスセッティングも含めタイヤテスト中は何も変化させていません。
3. バイク用スポーツタイヤ比較テスト結果の詳細
結果1. 比較テスト結果マトリクス
タイヤテスト結果 | ブリジストン S21 | ダンロップ ロードスポーツ2 | コメント |
---|---|---|---|
ドライブグリップ | ◎ | ◎ | 縦方向のグリップ力に大差はなし。どちらもグリップ力はある。 |
エッジグリップ | ◎ | ○ | BSがやや勝っている。エッジ→ドライブへの移行が途切れなくてスムーズ。 |
スライド コントロール性 | ◎ | △ | 明確な差アリ。BSはとてもコントロールしやすい。 |
軽快性 | ○ | △ | 低速での差はなし。S字区間の100km/h超領域で差を感じる。 |
応答性 | ○ | ◎ | Frのブレーキに対する応答性はDLの方が良い。 |
ギャップ吸収性 | ◎ | ○ | 大ギャップ通過の時はBSが明らかに勝っている。 |
結果2. ドライブグリップ
アクセルを開けていった時のタイヤグリップ力がドライブグリップ力です。 絶対的な駆動力に対するグリップ力に大きな差はありませんでした。
S21
スポーツタイヤとは思えない程に強力。 柔らかめのタイヤ構造と上手くマッチしていてアスファルトをしっかりと喰ってくれる。S21はゴム+構造でグリップ力を発揮させているように感じる。
ロードスポーツ2
こちらも強力なグリップ力を発揮している。 サーキット+路面温度が高い条件でも、しっかりとグリップ力を発揮。 一般公道を想定した温度レンジより高いはずだが、しっかりと喰っている。 ロードスポーツはゴム重視のグリップに感じる。
結果3. エッジグリップ
フルバンク中のタイヤグリップの事をエッジグリップと言います。 各社エッジグリップを高める為に柔らかいゴムをエッジ部分に採用したりしています。
S21
安心感のあるグリップ力で、滑り方も穏やか。 フルバンクでも全く不安の無い出来上がりで、サーキットでも全く不満に感じない。
ロードスポーツ
今までのタイヤの進化バージョンと言った感じで特にエッジグリップの強さを感じられなかった。 不満に思うレベルではなく、一般的なレベル。 タイヤの滑り方がやや唐突である。→マイナスポイント。
結果4. スライドコントロール性
ミドルバンク等で駆動力に対しタイヤのグリップが負け、スピニングした時のコントロール性の事をスライドコントロール性と言います。
S21
もう抜群にスライドコントロールしやすい。 ドライブ方向でタイヤが滑ってもブリブリブリッ! と食いつきながら回転し、前に進んでくれる。 しかも滑った後も一定の滑り方で、バイクが横を向かずとても安心感が高い。
また滑った後が怖く無いため、滑る前のアクセル開度を大きくできる→その結果ラップタイム短縮に大きく寄与している。 個人的に最も差を感じ、最も良い! と思ったポイントである。
ロードスポーツ2
滑り出す直前までの加速GはBSと大差無いが、滑り出すと一気に横向きながら滑る。(ツルッと滑るイメージ。) 想像するにトレッドのゴムとタイヤの構造がアンマッチ。 どちらかと言うと、もっとゴムのグリップが高い時にマッチングが良さそうなタイヤ構造であるように感じる。
タイヤ構造が固めで、トレッドゴムももっとハイグリップな仕様であればマッチングが良さそうである。 しかしライフを意識したゴムでは何故か合っていない。
結果5. 軽快性
ハンドリングの軽さ、ヒラヒラとバイクを操れる状態を、「軽快性が高い」、「軽快性が良い」などと表現します。
S21
低速での切り返しのフィーリングが、高速でも一定の増加率で高くなり、予想しやすい。 タイヤがトンガリでは無いのでハイグリップタイヤのような一気に寝かしこむ事はできないが、寝かし込みと起き上がりに差がなく安定している。
フルバンクからの起き上がり動作は、ロードスポーツに対し少し重い。
ロードスポーツ2
低速での切り返しは標準的であり、S21と同じ。 しかしS字区間や100kmを超える速度域になると、重さが増してくる。 これはタイヤ重量に比例していると考えられる。 特にS字区間はフルバンク→フルバンクの連続で車速と切り返しスピードの両方が求められる区間である。 ここでは明らかにハンドリングが重い。(バイクの車体重量が増えたイメージ)
結果6. 応答性
ブレーキの入力や、アクセルなど入力荷重に対するレスポンスの速さの事を応答性と表現します。 例えば空気圧をパンパンにすると応答性は良くなります。 空気圧を抜いてベコベコにすると応答性は悪くなります。
S21
応答性は標準的で、特に良い!とは感じなかった。 タイヤ剛性が全体的に少し柔らかめ?
ロードスポーツ2
応答性はS21より明らかに良い。 ブレーキんぐを開始した直後からグリップ力が高まり、路面にタイヤをしっかりと押し付けてくれる。 高荷重が掛かっった時のタイヤ変形量は少ないフィーリングで、サーキットタイヤに近い。
結果7. ギャップ吸収性
路面の凹凸を乗り越えた時の衝撃の大きさ。 タイヤが衝撃を吸収してくれると「ギャップ吸収性が良い」と言う表現になります。
S21
タイヤ全体が柔らかいフィーリングで、ダンロップコーナー頂上にある大きなギャップを乗り越えた時には明らかにS21の方が吸収性が良く、乗り心地が良い。
ロードスポーツ2
やはりタイヤ剛性が高い事が起因して、ギャップの吸収性はワンランク劣る。 その分応答性は高いので一長一短ではあるが・・。 タイヤ剛性はハイグリップ並のスペックに、トレッドのゴムはスポーツと言うちょっとアンマッチな状態にに感じてしまう。 サーキットなどのクローズコースなら、セッティングで対処できる。
4. タイヤ空気圧違いの性能確認結果
サーキットを走る時には、「タイヤの空気圧下げた方がええねん!!」と言っているor聞いた事あるライダーも多いのではないでしょうか。 そしておその理由のほとんどは「タイヤの設置面積が増えてグリップが上がるねん!」です。
残念ながら、空気圧を下げただけではグリップは上がる事はありません。
*バイクでサーキットを走る時の最適空気圧とは?
*リアタイヤを太くするとグリップが上がる!!と言う勘違い
とは言え、タイヤに垂直荷重成分が掛かる領域のみ、面積は広い方がグリップする事は確かですから、タイヤ空気圧を下げて見て、実際にグリップ&ハンドリングに変化があるか試して見ました。
タイヤ空気圧の条件
今回の比較テストでは、30分の走行時間を有効に使うためタイヤウォーマーを使用しています。 が、街乗り条件と近づける為、タイヤが冷えている時に空気圧をメーカー指定値に合わせています。(フロント2.5、リア2.9k)
ウォーマーで温めた後、コースインし、一定のペースで走行し15分経過した時点でピットイン。 この時タイヤの温度はサチレートしているので、フロントを0.2k、リアを0.3kづつエア圧を下げます。
この状態で残り15分を走行し、タイヤ性能を判定します。
BS S21の結果
C=Cold(冷間)、H=Hot(温間)の意味です。
タイヤ性能確認項目 | BS S21 Fr C2.5→H2.8 Rr C2.9→H3.4 | BS S21 Fr H2.8→H2.6 Rr H3.4→H3.1 | コメント |
---|---|---|---|
ドライブグリップ | ◎ | ◎ | 変化なし。 |
エッジグリップ | ◎ | ◎ | 変化なし。 |
スライド コントロール性 | ◎ | ◎+○ | 滑りだしが穏やかになり更にコントロール幅が広くなる。 |
軽快性 | ○ | △ | S字区間で明らかに劣る。車高が下がりステップを擦ってしまう。 |
応答性 | ○ | ○ | 若干劣るかな?のレベルでキープできている。 |
ギャップ吸収性 | ◎ | ◎ | 変化無し。 |
タイヤの絶対的なグリップは変わりませんでしたが、スライドした時のコントロール性は良くなりました。 しかし全体的な車高が下がり、柔らかいタイヤ剛性と相まってステップが接地してしまいNo good。
また、全体的にタイヤが潰れすぎているフィーリングになり、ハンドリングやラインの自由度を考えると、むしろ少し上げた方が速く走れると感じました。(今回はTRYできていません)
DL ロードスポーツ2の結果
C=Cold(冷間)、H=Hot(温間)の意味です。
タイヤ性能確認項目 | DL ロードスポーツ2 Fr C2.5→H2.8 Rr C2.9→H3.2 | DL ロードスポーツ2 Fr H2.8→H2.6 Rr H3.2→H2.9 | コメント |
---|---|---|---|
ドライブグリップ | ◎ | ◎ | 変化なし。 |
エッジグリップ | ○ | ○ | 変化なし。 |
スライド コントロール性 | △ | △ | 変化なし。 |
軽快性 | △ | △ | 変化なし。 |
応答性 | ◎ | ◎ | 変化なし。 |
ギャップ吸収性 | ○ | ◎ | ギャップ吸収性は良くなった。 |
ロードスポーツの場合、ギャップ吸収性は良くなりましたが、グリップやハンドリングで明確な変化がありませんでした。やはりタイヤの剛性がかなり効いている印象です。
逆にタイヤが減ってゴムが薄くなった時は結構イイ状態になるのかも?? こればかりは減ったタイヤで勝負して見ないとなんとも言えませんね・・。
ロードスポーツ2での走行ではステップ接地はありませんでした。
5. 走行後のタイヤ表面の状況確認
30分走行終了後のそれぞれのタイヤ表面の状態です。
ブリヂストンS21
リア表面はサラっとしていて、シリカが多めの配合なのか? あまりカーボンブラックを使用していない印象です。
フロントタイヤは少しカーボンブラックが多めの配合か・・。
Rrタイヤは5分割構造になっていて、それぞれゴムの表情が異なるので分かりやすいですね。 フロントは3分割のはずなんだけど、違いは分かりません。
ダンロップ ロードスポーツ2
フロント、リア共に少しカーボンブラックが多いのかな? と行った印象の溶け具合です。 タイヤ構造も固めのフィーリングで、カーボンブラック含有量が多いとなると、もしかするともっと空気圧を下げると良さが出てくる領域があるかもしれませんね・・。
次走る機会にはRr−0.5kくらいをTRYしてみようかな。
6. 鈴鹿サーキットテスト走行の動画
鈴鹿サーキットで行ったテストの様子を動画に納めましたのでご覧ください。
走行動画1. ダンロップロードスポーツ2
走行動画2. ブリヂストンS21
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6. 二輪スポーツタイヤのサーキット性能比較インプレッションまとめ
ホームコースである鈴鹿サーキットでの比較は、性格が丸で違っていてとても面白い走行となりました。 当たり前ですけど、同じ日に同じ条件で比較するとタイヤメーカーの違いが本当に良く分かります。
ブリヂストン【S21】
グリップはもとより、フィーリングにも拘りを感じられました。 特に滑りだした後のフィーリングが良く怖くありません。なので「滑ってもイイや」と思え、滑るまでのアクセル開度が大きく取る事ができます。
柔らかいフィーリングのお陰でとても扱いやすく、バイク初心者のライダーにも分かりやすいタイヤになっていると言えます。 SSバイクに履かせるタイヤとしてS21は現在最もオススメです。
昔はBSと言えばちょっと硬めのタイヤが多かったのですが、最近は柔らかさを追求した上で「柔らかい事のデメリットを上手く消している」と言った印象です。
ダンロップ【ロードスポーツ2】
今回の条件下でS21と比較した場合は、S21の方が良かったです。が、車種(特に車重)を変えるとまた違う結果になるかもしれません。
今回のテスト条件においては、ゴムのグリップ力は間違いなくあるのですが、タイヤの構造とアンマッチでスライドコントロール性が劣る要因になっているように感じます。 例えばこの構造なら、もっとグリップするα14のゴムを使う位が丁度イイかも??
と言うのも、もう一台のバイクZRX1200Rには、以前ダンロップのロードスポーツを履かせていたのですが、とてもフィーリングが良かったんですよね。
個人的には硬いタイヤが好みですし、ヘビー級の重量バイクZRXに対してはロードスポーツの方がイイのかも? と思っています。 と言うのも、ZRX1200Rの場合、ヘビー級のくせにKawasaki純正指定空気圧はFr&Rr共に2.5kなんですよ!
最高速が低いって理由もありますが、この場合はタイヤ剛性、ケース剛性の高い方が旋回性などのフィーリングが良くなる傾向なんですよね。 確かめるにはしかし、ZRXは190/55が履けないからまた買うしかないのか・・・
ちなみに、BSからもDLからも何もリベートは受け取っておりません! 全て自腹で購入しましたよ!w いつもお世話になっているバイクワールド名古屋店で、2セット購入しました。 (全額ボーナス前借り!! ニコニコクレジット♪♪ 皆さんのシェアだけがブログ継続のモチベーションなんです!!)←つまりシェアお願いします!!m(_ _)m
Twシェア数が100を超えたら、次は「ロッソコルサ2」 VS 「S21」の鈴鹿サーキットインプレをやってみたいと思っています!
何かご質問やリクエストがあればお気軽にコメントください。
Let’s Fun! Ride! Run!
Andy