アドレスV125(CF46A)エンジン組立の方法

エキゾーストバルブを追加発注した分、すこし完成が遅れてしまいましたが無事納車する事ができました!

前回漏れまくりだったエキゾーストバルブも今回はパーフェクトフィッティングだぜ(*^^)v

1. 燃焼室気密テスト

エンジンの燃焼室は「圧縮行程」と「燃焼行程」の2回で気密性を保たなければなりません。

気密性が保てていない場合エンジン出力低下に直結します。 また始動性も悪く長くセルモーターを回さないとエンジンが掛からない!なんて事にも繋がります。

 

エキゾーストバルブの気密性NG

エキゾーストポートからエアを当てると、密着面から泡がプクプクと出ているのが分かると思います。

この泡の量、出方はNGです。  一カ所から1つ2つの泡であればOKですが、広範囲に渡って大量に出てしまっているので即NGと判断しました。

 

気密性OK


エキゾーストバルブを新品交換し、軽くバルブのすり合わせを行いました。  結果、泡の発生は一切なくなりOK! 完璧(^_-)-☆

 

2. アドレスV125エンジン組立方法

手順1. シリンダーヘッド

アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッド

バルブクリアランスの基準値は

  • IN 0.05~0.10
  • EX 0.10~0.15

となっています。 基準値のセンターを狙えばOK。

 

手順2. ピストンリング組付け

アドレスV125(CF46A)ピストンリング組付け

ピストンにピストンリングを組付けます。

  • トップリング=刻印”R”
  • セカンドリング=刻印”RN”

がピストン上面側に向くよう組付けます。  またリングの合口向きは60度づつ、ずらして装着します。

この事でより高い圧縮を生み出す事ができエンジン出力を効率よく生み出す事ができます。

 

このピストンリングの上下を間違えると”オイル上がり”の症状が出て、マフラーから白煙がモクモクと出てきますw

レース用エンジンでは「1本リング」と言ってセカンドリングが無い仕様が存在します。 フリクションロス低減を狙って1本にするのですが、オイル消費が多かったりオイル管理がシビアになるなど街乗り向きではありません。

 

レースにおいても1本にしてみたり、1本を薄く作って2本にしてみたりとエンジニアの思想の変化とともに仕様も変わります。

 

アドレスV125(CF46A)ピストンリング組付け

↑このように刻印”RN”をピストンクラウン側へ向けて組みます。

 

アドレスV125(CF46A)オイルリング

オイルリングのスペーサはコの字状に成型されています。 合口の部分を重ねた状態で装着してしまいやすいので注意が必用です。 重ねてしまうとリングが動けなくなってしまいます。

 

ピストン単体の状態で、片側のピストンピンクリップを装着しておくと、小端組付けのときクリップの落下リスクを減らす事ができます。

 

手順3. ピストンの装着

アドレスV125(CF46A)ピストンピンクリップの組付け

クランクケースにクリップが落下しように養生します。

次にピストンピンを挿入し、クリップを溝に嵌めます。 この時クリップ合口の位置は分解用の溝から180度離れた部位にします。

合口から外れやすいので最も遠い位置に持っていきます。

 

手順4. シリンダーの取付

アドレスV125(CF46A)シリンダーの組立

シリンダーガスケットを組付けます。 ケースの合わせ面には液体ガスケットを適量塗布。

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーの組立

ノックピン×2つを入れてガスケットを組付け

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーの組立

シリンダー壁とピストンにオイルを塗布します。

カムチェーンがクランク側スプロケットから外れやすいので注意。

 

手順5. シリンダーヘッド取付

アドレスV125(CF46A)11141-33G01

シリンダーヘッドガスケットを準備。 ノックピンと合わせて組み付ければ誤組みする事はありません。

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立

カムチェーンを落とさない&スプロケから外さないようテンションを掛けながら組付けます。

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立

ガスケットを敷いたらヘッドを組付け。 この時サブフレームとヘッドのインテークポートが当たって装着できません。

 

Rrフレームを吊ってRrサスペンションのロアマウントを外して後方にずらし、車体を下げます。 するとエンジン角度が寝てヘッドを装着する事ができます。アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立Rrサスマウントの下側を外して、車体後方へずらさないとヘッドが入りません。

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立ヘッドナット締付25Nm(3回に分けて締付)
アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立サイドナット締付10Nm

 

 

手順6. カムスプロケット取付

アドレスV125の圧縮上死点

まずはクランクトップを出します。

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立
アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立

クランクトップの状態でカムスプロケットのケガキ線とヘッド上面が平行になる位置でカムチェーンを掛けます。

 

手順7. デコンプの取付

アドレスV125(CF46A)デコンプの組立
アドレスV125(CF46A)デコンプの組立

 

デコンプリターンスプリングを取付け、カムスプロケットに挿入します。 (スプリングエンドは黒い樹脂に挿し込む)

 

アドレスV125(CF46A)デコンプの組立

デコンプを時計回りに回転させてからストッパー、締付ボルトを取り付けます。

※ネジロック中強度塗布、締付TQ10Nm

 

手順8. カムチェーンテンショナ取付

アドレスV125(CF46A)カムチェーンテンショナの組立

テンショナを配線ドライバ等で右方向に回転させ最後までいくとロックさせる事ができます。

 

アドレスV125(CF46A)カムチェーンテンショナの組立

”UP”マークを進行方向側へ向けて組み付ける

※締付TQ10Nm

 

アドレスV125(CF46A)カムチェーンテンショナの組立

最後にクランクシャフトを手で回転させ、タイミング、異音やひっかかりなどないか最終チェック。

 

手順9. ヘッドカバー取付

アドレスV125(CF46A)ヘッドカバーの組立

 

 

曲面とピン角部に液体ガスケットを塗布して締め付ける。

※ヘッドカバー締付ボルト 締付TQ=15Nm(2回に分けて締付)

 

最後にもう一度クランクを回転させて確認する。

 

3. 車体部品の組付け

大まかな手順としては、シリンダーカバー→ スロットルボディ→ 配線・パイプ結線→ エアボックス→ マフラー→ 外装。と言った順序です。

 

手順1. シリンダーカバー取付

まずはしっかりクレーンで釣り上げます。

アドレスV125(CF46A)シリンダーヘッドの組立

Rrサスロアマウントを外してフレームを釣り上げます。 かなり吊らないとフレームとシリンダーカウルが当たって入りません。

 

アドレスV125(CF46A)シリンダーカウルの組立
アドレスV125(CF46A)シリンダーカウルの組立

シリンダーのフィンにラバーがピッタリハマるようになっています。 ラバーが転んでいると合口が合いません。

1番のプラスビス4本で固定します。

 

手順2. スロットルボディ取付

アドレスV125(CF46A)スロットルボディの組立

スロットルボディを取り付けます。 次にエプロンをシリンダーカウルに取付け、最後にスロットルケーブルを接続します。

この時Oリングを噛みこまないよう注意。

 

手順3. 配線・配管の接続

アドレスV125(CF46A)スロットルボディの組立

燃料ポンプ、スロットルポジション、IACV、フィードホース、リターンホースを接続します。

 

あとは外装を組んで完成~!!

アドレスV125(CF45A)K5

 

 

4. 作業報告書

こんな感じで作成した報告書を添付して納車します♪♪

整備報告書 Apr2020

 

SUZUKIのエンジンを初めて触りましたが、色々とHondaと思想が違っていて面白かったです。 「走行中、プラグが爆発した!」( ゚Д゚) と言う衝撃発言からスタートして今回の整備でしたが、オーナーさんの元で元気に走ってくれる事でしょう!

そう言えばフレームの赤塗装って純正なの!?

 

Let's Fun! Ride! Run!
Andy

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