こんにちは!MOTO-ACE-BLOGerの@Andyです。
ハイ、二年連続の予選落ちの結果となりました。
しかも昨年のタイムを超えるどころか、2秒落ちのタイムしか出す事ができず、全くもって不甲斐ない結果でした。 応援して下さった方に申し訳無い気持ちでいっぱいです。
フリー走行1本目
2019年4月19日、40分間の走行が2本行われます。 AndyはB-Grなので8:50~9:30、14:55~15:40の2本です。
レース1周間前の練習走行で初めてSC77を乗り、シフターが作動しない事が判明。 それとピットレーンシミッターも作動せず。
この原因は部室で確認したところアース不良であった事が判明。 修正するも、シフターだけはやはり作動せず。
で量産仕様のシフターを取付けると、メータ表示で「QS-ON」とクイックシフターONの表示が出ます。 今まではMillが点灯し、DTC107番が表示されていましたが、取り敢えず動きそう! との状態でコースイン。
しかしいざ走り出してみると、やっぱりシフターが効かない・・・。 ソフト上の設定か? と思いピットに帰り、ソフトを変更するも症状は変わらず。
すぐさまショートカットで帰りもう一度TRY。 やはり変わらず・・。 ここで貴重な走行時間を使う訳にはいかないので、シフターは諦め、走り込む事に集中します。
ベストタイムは2:17.555で走行を終えました。
鈴鹿の場合、シフターがどうしても欲しい! と感じるコーナーが2つあって
1つはムサシシケイン立ち上がりの200R。
2つ目は日立シケイン立ち上がりの最終コーナー。
ムサシシケイン立ち上がりは2→3→4と2つギヤを上げます。 この時Thは全開なので少し戻してやらないとギヤが入りません。 バイクがバンクしている状態なのでThを戻すと車体姿勢が乱れてしまうのです。
またバンクした状態でTh全開なので、少し戻した時の減速Gも大きくタイムをロスしてしまいます。
同じように最終コーナーは2速を飛ばすショートシフトなので、Thを少し戻す動作を短時間で2回行います。と同時にレコードライン上にある2つのギャップを踏むので、やっぱり車体が暴れてしまいます。
結果Thを大きく戻し過ぎてしまいタイムをロス。 やっぱり使える文明の利器はトコトン利用するほかありません。
シフターの不具合原因を究明
1週間前の練習走行で、シフターに来るはずの5Vが来ていない事までは突き止めていました。
量産仕様のシフターはECUが正しく認識する。 しかしKit仕様のシフターはDTC(diagnostic trouble code)107番が吐き出されます。
Kitシフターを繋げて電源ONにすると即エラーコード107が出るので断線が最も疑わしい。 しかもセンサー側の導通はOK。 つまりメインハーネス側が怪しいとなります。
次にセンサー電圧が出力される3Pカプラ―のセンター部を確認します。 Kitシフターも量産シフターもECUに入る信号線は共通なので、ECUに入る信号線と、カプラ―の信号線の導通を確認したころ思った通りでした。
Kitシフターの信号線の導通が無い!! → つまり断線確定!
信号線は共通なので、量産シフター用の信号線を分岐してKitシフター用のカプラ―に挿せば解決できます。
メインハーネスを交換するより楽なのはラッキー! しかも2本目までは4時間も時間があるので、次の走行に間に合う♡\(~o~)/
やる事が決まれば、道具を揃えて作業するだけです。
先ずは、断線しているKitシフターの信号線を外します。
あれ? これ配線の色ちゃうやん!
なんでバイオレット(紫)じゃないん? 配線図はV(バイオレット)ってなってたのに??
うそ!?
そんな訳ないやろ! バイオレットのはずやで・・・
ちなみに今抜いた配線は何色??
ええっと・・・
ピンク/グリーン、ピンク/グリーンはっと・・・。
「VCセンサー」ってなってるな・・・。
Vはベロシティ。 Cはカウンター?
ん??
それカウンターの6速ギヤから取る車速センサー(スピードセンサ)じゃね? 抜くピン間違ったっぺよ!
いや、今付いてたのは間違いなくこのカプラやで!
ってかそもそもパープルの信号線が入ったカプラが無いやん??
?
そんな訳ないやろ~・・・
無いな!
なんと! Kitシフターが本来繋がるべきパープルのカプラは、しっかりとRr車速センサーに繋がっておりましたwww
量産シフターとKitシフターを繋げるカプラは、溝の位置が異なり物理的につなげる事ができません。
しかしKitシフターとC6ギヤのスピードセンサーは全く同じカプラ―で繋げる事ができてしまうのです。
で、KitシフターはC6ギヤのスピードセンサーのハーネスと繋げていた為に、DTC107番が吐き出されていたと言う落ちでした!
つまり、カプラ―を間違って繋げていただけだった!
ま、このタイミングで判明して良かった!と思うしかありません。 これで午後の走行は更にライディングに集中できます!
全日本1日目!
クイックシフターのトラブルやっと解決した〜!
あとは運ちゃんが走らせられるかどうか!!
スムーズにガンバリマス❗️#明和レーシング pic.twitter.com/kKGroatpZB
— ANDY (@ANDY_MOTO_ACE) 2019年4月19日
フリー走行2本目
DTCコードも出ず! これでバッチリだーーー!
ピットレーンを出てコースイン! 後ろを振り返って後続を確認します。 後続無し! 前を見るとワーニングランプ点灯!! (・.・;)
マジか! 現行CBRはワーニング(Mill)が表示されると水温表示が見えなくなります。 トラブル内容を確実に把握していればそのまま走る事もできますが、新たに出た不具合が致命的だった場合は転倒やエンジンブローにも繋がりかねないのでここは一度ピットに入って内容を確認します。
内容をチェックする為のショートカプラをパドックへ取りに行く間にメインスイッチのON-OFFをトライ。するとワーニングは消えました。
取り敢えずコースインして半周してショートカットでもう一度戻ります。 するとシフトペダルを踏むとエラーコードが出る事が分かりました。
しかしその原因はわかりません。 ECUセッティングツールとのマッチングか? と考えソフトを変更するも症状は変わらず。 なんとなくソフトではなく根本的な何かが違うようなフィーリングだったので、このセッション中の解決は見送る事を決断。
パワーマップなどの選択を主に走行し、2:18秒中盤で終える。
再度シフターをチェック
今までのようにエラーコード107番が出る事は無く、シフターの接続を正しく認識はしてくれている様子。
しかし何度踏めども一向にシフターが動く気配は無し。
ここでいつもお世話になっているHRCのサービス〇野さんに症状を伝え相談していると。。。
え!? クラッチスイッチ!?
量産ならまだしも、クラッチスイッチは要らないですよね??
クラッチスイッチ付けなきゃだめだよ!
ダウンシフター機能(オートブリッパー)があるから、クラッチスイッチが必要なの!!
クラッチ握ってブリッパー聞いたらNe上がり過ぎちゃうでしょ!!
だからシフター動作のパラメーターにクラッチスイッチが入ってます!!
なんと、全くの盲点でした。 今までレーサーでクラッチスイッチを装着する習慣が無くまったく気づきませんでした。
シフトダウンするとき、自動的にスロットルボディのバタフライバルブが開いて回転を上げてくれる機能が装備されています。
今までは、自分でスロットルを煽るか、クラッチを使って回転数を合わせる動作が必要でした。
しかしTBWのSC77はシフトペダルを操作するだけで、ダウンシフトも完了してくれます。 その時クラッチを握っているとダウンシフターが効かないようにプログラムされているのです。
この事をしらなかったので、いつまでたってもクラッチスイッチの信号が入らずシフターは効かないままとなっていました。
で、予備部品を持っていなかったのでHONDA社内チームに借りるしかありません!! 今回はEGレーシングさんと、ブルーヘルメットMSCさんから部品をお借りできました。
↑クラッチスイッチは長年の常識で外すモノとして信じて疑わず・・・
※本当にありがとございます!!
これでやっとシフター動くZE~~~!!!
と思いたいところなのですが、
唯一、シフトセンサのイニシャライズが正しく完了できていないんです。 メーター上でセッティングできるのですが、何度行っても「UNSUCCESFUL」が表示されてしまいます。
HRCサービスの〇野さんを読んで確認したところ、量産シフターの設定をONしていないとイニシャライズできないとのこと。
そしてやっとの事で望むメッセージを表示♡
次はRrスタンドを掛けて、ピット内でで実際に動作チェックです。 ブォーーーン、ブォーン・・・。
う。。。うごかない・・・
(・.・;)
なんと! SC77のレーサー(開発コードNLS)は制御にFr車速、Rr車速、カウンター車速の3つの情報をパラメータとして使っています。
当然、Rrスタンドでタイヤを浮かせた状態ではFrタイヤが回転しません。 → シフターが効かないのです・・・。
そこで、「シャーシモード」と言うモードが追加されていて、一時的にFr車速信号が無くてもシフターが効くモードがあります。
SC77(NLS)シャーシモード
- エンジン停止状態にてスロットルを全開にする。
- ↑の状態をキープしたまま電源ON。
- 電源ONしてから10秒以内にクラッチを5回握る
- 「TC」インジケータが点滅したらシャーシモード「入」となる
※クラッチを握る時もスロットルは全開をキープ
※シャーシモードで実走しないこと
※電源OFFにてシャーシモードOFFになります
この条件でシフターをRrスタンド掛けで動かす事が可能になります。
で、実際にシフトペダルを踏んでみると・・・??
シフター効いたーーーーーー!!!!!!
\(^o^)/
やっと動いたZE~~!!!! マジ長かった!!!!
恐らくSC77がリリースされた2年前にほとんどのHONDA系チームが苦労していた事なんだと思います。 しかし明和レーシングは昨年の8耐がぶっつけ本番&完成されたECUを熊本レーシングさんからお借りして労せず走らせてもらいました。
2年前新型に変わったときに各チームシフターが動かないとか、ミッションダボを痛めてしまうなどかなり苦労されていた話を思い出しました。
2年遅れではありますが、やっと電気に支配されたバイクが言う事を聞いてもらえる状態になりました♪♪
予選を明日に控え、真っ暗で誰も居ないAパドックを23時に後にする事ができました。 その後は破天荒で遅いメッシータイム!
予選
鈴鹿2&4の予選は計時予選方式です。(1周のラップタイムが速い順)
ANDYはBグループ。 で30分間の走行枠です。
ピットレーンでシフト操作をすると・・・
やっとまともに動くようになってくれました♪ カプラー間違い→ クラッチスイッチ→ イニシャライズ→ シャーシモードと随分と遠回りしたお陰で感動も一入(ひとしお)です!
てシフターの感動を味わうために来たんじゃない!
さてこれから30分のアタック! 最初からガンガン行くしか無い。
とここで問題発生。 1→2速にシフトアップするときのシフターのカット時間が短くシフトが入らない・・・ 他のギヤはスムーズに入る。
少しスロットルを戻すと今度はなぜか全失火状態。 からの全復帰でウィリー合戦・・・
日立シケイン立ち上がりでもやはり1→2速に入れるときに同じ症状・・・
と思ったら今度はオートブリッパーに慣れれない!!
シフトダウン操作をすれば、回転数を自動で上げて合わせてくれる機能です。 今までのようにライダーがスロットルを煽って回転数を上げる(合わせる)必要がありません。
ライダーはクラッチ操作を一切することなく、ライディングに集中できます。
が・・・自分の思うタイミングとブリップ量が合わず・・・おっとっと!状態。
5→4→3までは凄く良い感じでタイミングも量も完璧なんだけど、2→1とバックトルクが多きくなるとフィーリングが異なる。
そんな事を考えながら走っていたら残り10分!(汗)
一度ピットでドリンクを一口もらって、再びコースイン! 1⇔2速のシフターセッティングには最後まで慣れることができずに時間切れ。2分17秒457で総合56位にて予選落ち。 初日のタイムと変わらない、なんとも不甲斐ないタイムしか出せず、応援して下さっている方、チームには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
まとめ
17秒のタイムしか出せなかった事は、完全にライダーの責任で弁明のしようがありません。
次レースは6月の地方戦で8耐最後のきっぷを獲りにいきます。 この時には自己ベスト14秒7を更新。 8耐では夢の13秒台を出すべく今からできる事を全てやるしかありませんね。
マシンを100%理解して自分のライディングをマシン・タイヤの性能を発揮させられるように変え、磨くしかないと思っています。
引き続き、#85明和レーシングのイエローCBR1000RRの応援、宜しくお願い致します!!m(_ _)m
Let's Fun! Ride! Run!
Andy