いや~、OKGカブトJIS認定取消し!! のニュースはライダーなら衝撃を受けたはず。 何せ頭を守る大切なアイテムですからね。
とは言え二日経った今、当初とは違う事実も判明してきたので顛末を記したいと思います。
記事の目次
JIS認定取り消しの流れ
1. 2019年11月25日第一報 近畿経済産業局の発表
経産省管轄の「近畿経済産業局が」下記発表を行います。
JISマーク表示制度の登録認証機関である一般財団法人日本車両検査協会が、日本産業規格(JIS T 8133)の認証製造業者である株式会社オージーケーカブトに対して審査した結果、JISマーク認証の取消しを行った旨の報告がありました。
これが第一報です。
この一方を受け、Andyを含めた多くのライダーは
は?
JIS取消しとかヤバくね!? 頭を保護するアイテムだよ!?
試験結果改ざんとか、基準値を満足できていないとかそういう事なの!?
もしくは自転車のメットの事?? 何があったの??
Andyのように「安全性に何か問題があるのでは?」と不安になります。
2. 2019年11月25日第二報が発表される
同じくして「近畿経済産業局」が発表内容に追記しました。
- 長期間にわたり製品の組み立て場所に係る記録が適切に記載されていなかったことを確認
- 車両検が実施した試験では、製品の安全性や品質については、JIS規格を満たしており、問題がないことが確認されています。
要約すると、記録をきちんと管理していなかった事が取消の理由。
ヘルメットの安全性試験や品質についてはJIS規格をパスしていて問題ないよ。
との事でした。
↓公式発表原本
株式会社オージーケーカブトのJIS認証が取消(METI_経済産業省)
JIS T 8133 乗用車用ヘルメットって?
これはオートバイ用ヘルメットの規格のことです。
自転車用はJIS T 8134と言う別の規格が存在します。 つまりOGKのバイク用ヘルメットのJIS認証に対してであり、自転車用は影響ありません。
VIA-JS-VI0514001
JIS規格って何?
ヘルメットにおけるJIS規格とは、安全性を担保する最低限の要件を満たす基準のことです。
落下試験やあごヒモの伸びや切れ、衝撃吸収性能など頭部保護にかんする厳格な基準が設けられています。
詳しくは→ バイク用おすすめヘルメットはなぜアライなのか?に、SNELL規格と比較しながら詳しく紹介していますのでご覧ください。
今OGKのヘルメット持ってるけど法的に問題ないの?
結論:問題ありません。
JISは任意規格であり、JIS規格が無くても公道を走行する事が可能です。
ヘルメットを販売する場合は「PSCマーク」の表示が義務となっています。
なので、今回のJIS認証取消処分後も、既に購入したヘルメットは何ら問題なく使用できます。
Nap’sは取扱いを中止
ナップスは当面取扱いを休止するとの公式発表がなされました。
同日取扱再開との公式発表がなされました。
MFJ公式リリース
MFJからも問題なしとのお墨付きが出ました。今週末の鈴鹿NGK杯もOKですね!!
リンク→ MFJ公式リリースページ
OGK公式発表
2019/11/26 17:31追記
上記公式発表がなされました。
OGKは中国青島(チンタオ)工場での生産が主力だが、一部モデルを大阪工場でも製造。
その大阪工場にて生産されたヘルメットにおいて組立場所の記録をしていなかったとのこと。 なぜ長期にわたっり組立場所を記載しなかったのかについては、「管理運営上の不備です」との説明。
また、経産省の国際標準課は内部告発ではないものの、「JIS適合が疑わしい」との情報が1、2か月前に寄せられ、事実関係を確認するように協会に依頼したとの事。
Andy個人的見解
まず、「安全性について問題は無かった」事が一番ホッとしたところです。
もう珍しくない、データ改ざんや不正試験など自動車業界でも嵐が吹き荒れました。 まさかヘルメットメーカーが安全基準を・・・!?
と頭をよぎりました。
もちろん、ライダーだからこそヘルメットメーカーの不正は一番やってほしくないですよね。 JIS認定取消しになるほどの不備ですから、よっぽどの事があったと推測できます。
今回の”大事件”で多くのライダーの信頼を落とした事に間違いありません。 しかしここからきちんと襟を正してもう一度信頼を勝ち取って欲しいと思います。
その第一歩はOGKカブトの「公式発表」からでしょう。
・事実・・・何が行われたのか
・原因・・・なぜそうなったのか?
・対策・・・どう改善するのか?
まずはここを包み隠さず発表することがスタートだと思います。
別に安全性に問題無いんだから不安を煽るな!
いちいち騒ぐほどの事じゃねー!!
↑こんな意見もAndyの元に届きました。
仰る通り!! ('Д') 言いたい事は理解できます。
でもこの意見はJIS規格を冒とくしています。
JISはただ安全性の試験をパスできればOK!になるほどヤワな基準じゃないんですよ。
書類審査も含めて厳しい基準なんです。 書類がキチンとしているからこそ不正も暴けるし、逆にメーカーは信頼を得る事もできるんです。
緩い規格基準なんざ「規格のブランド」が無いに等しい。
書類管理がキチンとできない現時点、OGKは3流メーカーと言わざるを得ません。
「俺は安全にクルマ運転できるけど書類申請ウゼーから無免許でいいんだ!」とは絶対ならないですよね!
バイク界は初心者の方が多いです。 教習所用のヘルメットを買いたいけど何を選んだらいいの? 違いが良く分からないなぁ~。 基準てなに? なるべく安い方がいいな~。
これから安全知識を増やす過程に居るライダーへは、現時点でOGKはおススメしません。(キッパリ)
その理由は今「ヘルメットメーカー全ての安全性や規格など比較判断する基準を収集している最中」だから。
様々な情報を既に持っており、自ら判断できるエキスパートならいいんです。 でもこれから自動車学校に通う方にその情報量と判断基準がある方は無いに等しいでしょう。
価格は高いけどSNELL規格をパスしているモデルがおススメ。 (結局はアライになるんだけど)
おススメの理由は、持ち合わせる情報の少ない初心者へ、化学的根拠を元に説明できるから。 その情報を最も多く、そして詳細にオープンにしているのがアライである事がおススメの理由です。
そしてバイクライフを満喫する過程で仲間や雑誌など様々な媒体から知識量が増えていくと思います。 情報が揃った時、安全性能やメーカーの特色、デザインや機能性を総合的に自ら判断し、どのメーカーの何のモデルを買うか決めたら、それが最高なヘルメットです。
規格の差が実際の交通事故においてどれだけダメージの差となって現れるか、誰も分かりません。
↑規格のおかげ? それともタマタマ? それは誰にも分かりません。
だからこそ、定量的な数値と条件で安全性を比較する事が重要なのです。
その比較情報を知った上で、あとは各々が自分の信念、基準に基づいて選べばいいのです。
そこにはOKもNGも無いし、正解&不正解を他人が決める事ではありません。
強いて言うなら、「自分の身を守る自分が判断したものが正解」です。
最も残念に思っているのはOGKユーザーですよね。
完全に裏切る結果となってしまった今回の”大事件”ですが、再び信頼されるメーカーになるべく、OGKには新たな一歩を踏み出し頑張って欲しいと切に願います。
Andy