マッジでタマヒュン案件過ぎた・・・
ライダーさん助かってホント良かった!
マジのタマヒュン案件の動画要約↓
- 場所:岡山国際サーキットヘアピンコーナー
- 原因:油圧低下によりブレーキ機能喪失
- 衝突速度:108km/h ※メーター読み
- 190km/hでブレーキ液圧抜け
- 不具合部位:ブリーダーボルト
ライダーさんは入院しているものの、命に別状は無いとのことでそこは一安心です。
手前のバックストレートでは約260km/hの最高速が表示されています。
そこからブレーキをいつも通り掛け、260→190km/hまで減速した時にブレーキの液圧が抜け、減速Gが緩まってしまっています。
Rrブレーキを掛け、グラベルでの自然減速と合わせ衝突時は190→108km/hまで減速できましたが、108km/hでは全く事足りず入院となっているそうです。
そして、ブレーキの液圧低下の原因は、エア抜き用のブリーダーボルトの締付け不足だそうです。
ブリーダーボルトって何?
- エア排出
- 油圧保持
- フルード排出(交換)
などがあります。
キャリパボディの上側に位置する小さなボルトです。
バイク、クルマのキャリパであればほぼ全てのキャリパに装備されていて、整備業界ではとても広く知られている部品です。
規定締め付けトルクはバイクの場合かなり低く、7〜9Nm程度。
ブリーダーボルトが緩むとどうなるの?
ブレーキを掛けても、全く効きません!
そう、油圧は密閉空間でなければ上昇できません。
ブレーキ液(フルード)が漏れる状態では、ブレーキは全く効かず俗に言う「ノーブレーキ」の状態になってしまいます。
正に今回の原因がブリーダーボルトの締め忘れによるフルード漏れ(油圧漏れ)がノーブレーキ事象発生の原因です。
自分の工具も知識も無いけどサーキット走りたい・・
自走でナンバー付きクラスを走ってるから、工具とか持って行けないんだけど、どうすればいいの?
工具が無くても確認する方法はありますよ!
ショップさんで確認後、マーキングを打ってもらいましょう!
ボディ側、ボルト側の両方にマーキングを打ちます。※↑写真
走行前にマーキングのズレを発見すべく目視確認します。
ズレ無し→OK
ズレ有り→NG
工具が無くても走行前に目視で確認する事ができます。
大事なのは、ショップさん(プロ)にお願いする事です。
「いついつサーキットを走るから点検をして欲しい!」
「現場でも最終確認できるようにマーキングも打ってホシッス!」
って依頼され、NOと言うショップさんはありません!
もし居たら縁を切りませう!(ガチ)
確実に点検し終わった状態でマーキングを打ってもらえば、あとはサーキット走行前にマーキング位置が変化していない事を確認すればOK。
それを毎走行前に確実に行えば鬼に金棒です。
ここで勘違いして欲しくないのは、
「マーキングのズレが無ければ絶対安全安心!」じゃないよ!
って事!!
適切なタイミングでの点検は必須です。
そのタイミングはいつなの? というのは一概に言えませんが、ショップさんの整備士の言葉を信頼してください。
最も確実なのは「走行する当日に、毎度チェック」が理想です。
シートボルトが一本緩んでも死にませんが、キャリパボルト、パッドピンならマジでヤバい事になってしまいます。(実際死亡事故もあった)
おすすめマーカーペン
個人的にペン先が乾いて使えなくなる事が無い(難い?)ので重宝しています。
同じような商品で「三菱ペイントマーカー」があるのですが、毎日使うヘビーユーザーは問題ありませんが、タマに使うとペン先がカッチカチに・・・
んでペンを振って振って振りまくるとペン先に染み込まず外周から洪水してマジうぜ〜!💢
ってなるんで使っていませんw
万が一ノーブレーキになったらどうすべき?
びっくりしました
渡辺一樹選手無事で良かった#JSB1000 pic.twitter.com/OQRm6jxSdD— R1-Z (@XSR900smile2) April 7, 2018
基本的にブレーキが無い!と思った瞬間にバイクから飛び降りる以外にないと考えます。
上記動画の渡辺選手もバイクから静かにそして素早く降りて、グラベルで身体が停止しています。
対してバイク本体はどこまで行っていますか・・・? そこにライダーがしがみついていたら?
考えるだけで恐ろしい・・
正直、渡辺選手のように瞬時に「降りる!」と判断する事もめちゃめちゃ難しいです。
ましてや200km以上の速度から「実行!」するなんて更にできません。
その2つの意味で、降りる決断をし、降りた渡辺選手は本当に凄いです。
鈴鹿やモテギ、APなど国際格式のサーキットでストレートエンドでブレーキが落ちてしまったらまず助かる方法はないと思います。
今回の岡山の方は190までブレーキが効いた事がかなり有利に働いている事は間違いありません。
モテギでもありましたが、バックストレートでブレーキレバーが脱落し、ノーブレーキになってしまった車両もありました。
やはりサーキットを走るライダーは、今回の動画から何を学び、どう自分に活かすか? がとても大事だと思うのです。
サーキットのリスクは全てライダーが負担します。
自分で整備できる方はもちろん整備すればOK。
不安だな・・と思う方はやはりプロの知識と経験を整備工賃という形で購入することが、結果として無事家に帰る事ができ、コスパは最強に良い支出になると確信しています。
走行前に
「ダイジョブっしょ!」ではなく、自信をもって
「マシンは完璧!」と思える状態にする事が、いつの日もサーキットライダーに求められていると思います。
併せて読みたい↓
HRCメカも実践!ザルを使ってボルト締め忘れを防ぐテクニック
まとめ
整備を全てショップさんにお任せしているのであれば、心配ありませんがマーキングを打つ事で自分自身が安心できるようになります。
また、自分で整備するサンデーメカニックであれば、はやり確認してくれる第三者がいないので自分で確認するしかありません。
・整備途中で電話が入った
・締めている途中で話しかけられた
・後でやろうと思って忘れた
などなど、締め忘れる要因は誰にでも、どこにでもあります。
まずは確実に整備を完了させる事が何より大切ですが、ワンフェールアウトにならないよう、現場で最終チェックを行うと完璧な整備になると思います。
Andy自身は走行前にブレーキとアクスル周りのボルト全ての締付けを再々度確認しています。
ナンバー付き街乗り車両で、サーキット走行を楽しむユーザーのお役に立てれば嬉しいですm(_ _)