こんにちは!MOTO-ACE-BLOG erの@Andyです。
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8月9日木曜日、鈴鹿サーキットへ出かけていました。 目的はブリヂストン製S21と、ピレリ製ロッソ3の比較テストをする為です。
テストの様子もブレが少なくもっとキレイに撮影できるようにと、マウント方法も変更して意気揚々と乗り込みました。
そして走行中の2コーナ立ち上がりでその悲劇は起こったのです・・・。
記事の目次
1. CBR1000RR(SC59 ED向)エンジンブローの状況
どんな状況、シチュエーションで起きたのか整理します。
状況1. マシンの仕様
- 型式:SC59(後期)
- 仕向地:ED向
- 年式:2013年式(新車にて購入)
- 走行距離:7815km(ブローした時)
- エンジン仕様:ノーマル
- エンジンオイル:Motul300V 15w-50
- 排気系:U.Sヨシムラ製スリップオンを装着
- 気温:32.5℃(ブロー時)
マシンスペック的にはこのような状況で、基本的には街乗りがメインでした。
鈴鹿サーキットへは走行会の先導役を引き受けた時や今回のようなタイヤテストの時など、たまに走る程度です。
状況2. ブロー後、ピットでの目視確認結果
※クリックorタップで拡大します
エンジンより後方の部分は全てオイルにまみれたと言っても過言ではありません。 そのくらい一瞬で大量のオイルと冷却水が出たんだと思います。
状況3. ブローした瞬間を振り返る
ブローする瞬間まで、前兆はまったくありませんでした。 ブローする手前のホームストレートでも車速はしっかりと伸びていて、エンジンパワーの不足も感じる事はありませんでした。
2コーナーを立ち上がった後、「ガガガッ!!」と音がしたので、とっさに
と思いました。 直前の周のダンロップ上りコーナーで一度ギヤ抜けしてしまったので「何かトラブったか?」と瞬時に頭をよぎりました。
ギヤ抜けの事もあったのでこれはマズい! と思うと同時にクラッチを握ります。
ブローした瞬間は幸いにもバイクは3コーナーアウト目掛けてアプローチしていたので、バイクが寝ておらずほぼ真っすぐの状態。
しかしそのままではコース外のバリアに衝突するので車体の向きを左に旋回させなければなりません。 ゆっくりとバンクさせたところ、Rrタイヤが大きくスライド!!( ゚д゚)ハッ!
と思ったらたまたまスグにグラベルへ入る事ができました。 アスファルトだとタイヤにベットリ付いたオイルは取れませんが、砂の上ならオイルが付いていてもあまり関係ありません。
たまたまバイクが真っ直ぐな時にブローした事と、すぐにグラベルに飛び込めた事が幸いして幸運にも転倒せずに走行が終わりました。
2. CBR1000RR鈴鹿2コーナー立上りのエンジンブローする瞬間の動画
たまたま前日にGoProマウントをアップグレードしていたので、映像が撮れていました。
エンジンブロー動画1. ショートVer
4周目の2コーナー立上りでご覧の通りのエンジンブロー。 なんの前兆もありませんでした。
ただ、ブローする約0.8秒ほど前にエンジン警告灯が点灯している事を、動画を見て気づきました。 SC77であればDTCと言って履歴が残るので後追いできるのですが、SC59はエラーコードが記録されないため今となっては何のワーニングなのか不明なままです。
ただ、エンジンが壊れる直前に点いているので因果関係はあると睨んでいます。
エンジンブロー動画2. ロングVer.
YouTubeの埋め込み動画です。 エンジンブローの瞬間はショートVerと同じですが、Andyの漫談?が収録されているので後半10分をお見逃し無く!ww
動画内|スプーン立ち上がりの違和感
スプーン立ち上がりでENGの調子がおかしいのでは? とのご指摘を頂きましたが、おかしくはありません。
シフトアップの為にスロットルを一瞬戻して駆動力を抜いているのですが、戻し量が足らずギヤが入りませんでした。
動画内では、その事は映っていないので音で判断して頂いた方が多かったようです。
説明不足で申し訳ありません。
動画内|ダンロップ入り口でのギヤ抜け原因
これは自然にギヤ抜けしたのではなく、2速走行中に足がペダルに触れてしまい2→Nへとギヤが抜けてしまいました。
ライダーであるAndyの操作ミスです。 紛らわしくてすみません。
3. CBR1000RRエンジンブローの推定原因
まだエンジンを割った訳ではないので、不確かな予測ですが現段階で考えられる事は下記の通りです。
- コンロッドの疲労破壊・・・焼入れ深さの不足などあるが考え難い
- 三番大端メタルの焼付き・・・動けない大端によってコンロッド折損→飛び出し
- 燃焼室でのノッキング・・・プレイグニッション等で過大負荷が掛かった
- オイル通路の詰まり・・・可能性はあるがフィルター後の位置であり考えにくい
- エンジン内部部品の脱落等・・・何かが折れた?脱落した?
推定原因1. コンロッドの疲労破壊
サーキット走行に耐えられなかったと言う事で、疲労限度を超えてしまうパターン。 しかしAndyの走行距離とエンジン負荷を考えると全くもって余裕のある範囲に居る事は間違いありません。
HONDAエンジンの耐久性の高さは研究開発の最前線に居たので良く分かっているつもりです。 もちろん物不良であれば壊れる事はありますが、可能性はとても低いと言えます。
また、疲労破壊か? 大きな衝撃荷重が加わって壊れる一破壊か? は、壊れた断面を専門家が特殊な機材を使って確認すれば判定できます。
しかし暴れたコンロッドが色んな部品にヒットしてしまうと、破面が潰れて判定できない事も。 エンジンを割ってから考えます。
推定原因2. #3大端メタルの焼付き
何らかの原因で、大端メタルが焼付き動けなくなってしまった場合はコンロッドに負荷が集中するので、一発破壊としてコンロッドが折れる事が考えられます。
現段階ではこの可能性が最も高いと考えています。
レプ男はレーサーではないので、オイル消費量を管理していませんでした。 前回オイル交換したのはサクライHONDAさんの鈴鹿サーキット先導走行前。
サクライさん走行会✕4本、ツーリング1回、前回のタイヤテスト2本、今回の走行4周です。 多く見積もっても約800kmです。
この800kmの間にオイル消費が思ったより多くロアレベルを下回っていたとしたら・・・#3大端メタルの焼付きは十分に考えられます。
後悔先に立たずですが、レーサーと同じように走行前にオイルレベルを確認しておけば、可能性の一つを潰し込めたかと思うと悔やんでも悔やみきれません・・・。
ただ、いくらサーキット走ったとは言え、800kmいや、仮に1000kmでオイルがアッパーからロアレベル通り越して吸えなくなるってのもなぁ〜・・・。
推定原因3. ノッキングが起こった
高回転まで回して走行していたので、燃焼室にカーボンが溜まる事はほとんど無かったでしょう。 なのでこの可能性も限りなく低いです。
ただ、一つだけ気になっている事があって、動画の中でブローする0.8秒前にエンジンチェックランプが点灯しています。
ここがとても引っかかっている部分なんですよね。 チェックランプが点いたって事はブロー前に電装部品が何かエラーを検知した事を意味します。
ではエラーを検知した電装部品はナニ?? って事ですよね。 これがサッパリ分かりません。
自分の仮設としては
- 何らかの理由でノッキング発生
- ノックセンサーが検知
- 点火時期を遅く(リタード)する
- まだノッキング継続してしまう
- エンジンチェックランプ点灯
- ノッキングによる過大負荷によりブロー
こんなイメージで考えています。 吸気圧センサーや吸気温センサー、RAFセンサーなど様々なセンサー類がありますが、仮にセンサーが壊れたとしても、即エンジンブローには繋がらないんですよね・・。
唯一? ブローに直結するのはノックセンサーかなと。 ※もし他に考えられるロジックがあれば是非教えて下さい!! (*^^*)
※ノッキングについては↓の記事で解説していますのでご覧ください
推定原因4. オイル通路の詰まり
クランクやケースの機械加工した時の切り屑などが残っていたり、バリが首の皮一枚繋がっていてそれがポロっと取れた・・・
う〜ん、可能性としては0じゃないけど多分違うような気がする・・・。
ま仮にこれが原因だったとしても、エンジン割って特定できたらラッキーれべるだな・・。
推定原因5. エンジン内部部品の脱落など
コンロッドでは無い何かが壊れ、挟まってブローしたなど。 可能性は限りなく低いな・・・。
前に一度クランクシャフトのウェブ(カウンターウェイト)が吹き飛んで壊れたってエンジンは見たことある。 でもそれはレーサー仕様のエンジンだったし、量産仕様ではやっぱり可能性は低いな・・。
レプ男(CBR1000RR)の今後の予定
現在、とあるショップさんと話をしていて9月中旬頃にエンジンを分解&復活(ほぼエンジン新組)する予定です。
エンジンを全て純正部品で単品購入すると100万円を超えてしまう〜(´・ω・`)
なので、何かいいアイディア&方法は無いか? 無い頭を必死に使っております・・・(泣)
そのショップさんのメカニックなら、何がエンジンブローの原因なのか? 解析機材の無い中で精度高く判定してくれると思います。
やっぱり全ては#3大端メタルが焼き付いて(業界用語:メタルが回る)いるのか? いないのか? 先ずはココを知る事が先決かなと思っています。
そして復活した暁にはスグに慣らしツーリングに出かけて、タイヤインプレッションを寒くなる前にやりたいと思います。 Twitterで期待して頂いた方には申し訳ありませんm(_ _)m
復活までしばしお待ち下さいm(_ _)m
エンジンブローして今思えば良かった3つの事
まずは、後続車両がAndyのオイルに乗って転倒しなかった事が本当に良かった!!
他人の巻いたオイルに乗って転倒するほど腹立たしくやるせない気持ちにさせてしまうのは本望ではありません。 しかも走行したのはナンバー付きクラスですから、各ライダー自慢の愛車を持ち込んでるクラスです。
そんな大事な大事な愛機をAndyが殺めてしまうなんてとんでもない!!
後続で転倒が無かったのはとにかく良かった!
2つ目は、自分自身も今回は運良く転倒を免れ事。
たまたまバイクが起きている時だったこと、すぐに広いグラベルへ出れたこと、この2つが運良く揃っていたので転倒せずに済みました。 もうしばらく肺はこの大きさをキープしたいですww ※鈴鹿で肺を潰してしまった記事
3つ目は、壊れたエンジンがAndyのバイクだった事。
壊れた原因がオーナーである自分にあれば話は別ですが、もしAndy以外のオーナーだったら壊れたバイクと同じメーカーのバイクは買わないですよね。 絶対HONDA以外のメーカーのバイクを買うと思います。 つまりHONDAのファンじゃなくなると思うんですよ。
でも今回はAndyのバイクだったので、ファンが減る事はありません。次もHONDAのSSバイクを買います!
やっぱレプ男もコツコツとカスタムしたり色んなトコへツーリング行ったりと思い入れがあります。 そんな相棒のエンジンにボッコリ大穴が空くと、自分の心にも大穴が空きますね。 この穴は両方埋め治すしかないので、またコツコツと愛情を注ごうと思います♪♪
しばらくはKawasakiに浮気だ!!笑
Let’s Fun! Ride! Run!
Andy