2022年名古屋モーターサイクルショーで販売するRR-R(SC82)専用リアホイール交換治具の使い方です。
治具の全体像
シャフトとブロックで1組となっています。
治具を使う3つの効メリット♪
- Rrキャリパを装着したまま交換が可能となる
- Rrキャリパが脱落しない
- Rrスタンドを上げたまま作業が可能
この治具を使うメリットはなんと行っても「Rrキャリパ脱着が不要」という点に尽きます。
ベストセラーであるJtrip製のメンテナンススタンドを使用すると、キャリパマウントボルトへスタンドが邪魔して工具がアクセスできません。
Tレン→ラチェット等へ持ち変えれば作業可能ですが、手間が掛かります。
Tレンで行うには、スタンドを外す必要がありやっぱり面倒くさいし、サーキットでウォーマーを巻いていると更に外したくない。
そしてなによりも、対抗ピストンの下マウントなので、ホイールを外すとキャリパブラケットが落下不可避。
この治具を使う事で、キャリパ脱着不要&ブラケット落下せず。 という素晴らしいメリットを享受できます!!
タイヤ交換治具の使い方
ホイールの外し方
手順1. 板木を敷く
Rrタイヤと地面の間に板木を入れます。
J-tripのメンテスタンドであれば、高さを最も低くした状態で2×4の板厚が丁度良いくらい。
木材カットサービスしているホムセンであれば端材を100円程度で販売しています。
板木を入れる目的=アクスルシャフトを抜いた時のホイール落下防止です
板木を入れない場合、Rrホイールが下がる→ ブレーキディスクがキャリパを押す→ ブラケット落下&傷付き。 となります。
手順2. アクスルブロックを治具と交換する
アクスルナットを外したら治具の「ブロック」と交換する。
※テプラの「Front→」の文字が見えるようにセットする
手順3. 治具を使ってアクスルシャフトを押出す
ブロックにシャフトをすこしづつ入れていく。
※注意↓
ブロックをスイングアームにはめる時、クリアランスが狭くハメ難くなっています。
キャリパ+ブラケットの自重を支える時、ガタが大きいとシャフトが斜めになってしまいアクスルシャフトを挿入する時に入れづらくなってしまいます。
このガタを小さくする事で、簡単に組立作業がができるようになっています。
手順4. ツライチにセットする
ブロックとシャフトの端面が揃った時、シャフト左端面はキャリパブラケットから−3㍉に位置しており引っかかる事は無い。
↓シャフトはキャリパブラケットから3mm内側の位置で止まる。
手順5. ドライブチェーンを外す
チェーンを外してから、アクスルシャフトを抜く
シャフトが刺さっていればホイールを簡単に回転させていい位置でチェーンを外せる。
シャフトを先に抜いてしまうとタイヤが地面に接地して回転させにくくやりづらい!
手順6. ホイールを外す
※写真挿入
ホイールを上から見て反時計回りに回しながら、キャリパとホイールを避けます。
ホイールの取付け手順
外すよりも装着する場合の方が難易度が高くなります。
手順1. ドリブンフランジを確実に入れる
写真
タイヤを床置きにして、ダンパケースにドリブンフランジがしっかりと挿入されている事を確認します。
万が一数ミリでも入っていないと、ホイールがスイングアームに入りません。
手順2. パッドを1.0mm広げる
パッドを1.0mm押し広げます。
慣れてくると広げなくても入れる事はできますが、慣れるまではやった方が確実です。
※マイナスドライバ等で広げると、摩材を傷つける恐れがあるので慎重に行って下さい
手順3. ホイールを入れる
外す時同様、ホイールを上から見て11時の方向に向けたままFr方向へ移動させキャリパとを潜らせる。
手順4. パッドにDiskを挿入する
先ずパッドにDiskを少しだけ入れます↑
※この時、板木が無いとホイールとディスクの位置がキャリパに対し下になってしまい、うまく入りません。
手順5. 右サイドカラーを入れる
右サイドカラーを、キャリパブラケット内側へ入れます。
タイヤを真後ろ絡みた時、垂直である事を確認してください!
多くは上端が11時側、下端が5時側へ傾いてしまっており、うまく入りません。
12時ー6時の方向にピッタリしていれば簡単に入ります☆
タイヤ向きが12ー6時であれば、↑のように片手で簡単に入ります。
入らない場合は、タイヤが斜めになっていないか確認してみてください☆
手順6. 左サイドカラーを入れる
左サイドカラーは面積が大きく入れやすいので、最後に入れます。
実際にはほぼ同時に入りますが、タイヤが垂直にセットできていれば隙間が1.5mm程度あるので引っかかる事はありません。
パッドも開いているのでスムーズに入るのが正解です。
手順7. ドライブチェーンを掛ける
ホイールをしっかり前へ押出し、↑のような位置関係になったらチェーンを掛ける。
装着する場合は先にチェーンを掛ける
手順8. アクスルシャフトを通す
Rrタイヤの下に足を入れて少し浮かせ、シャフトを通す。
手順9. 左側アクスルブロックをセット
シャフトを完全に差し込む前に↑左側アクスルブロックを装着します。
ホイールの自重でネジ山とスイングアームエンドが接触してネジ山が潰れてしまいます!
最後はホイールを真後ろから見て反時計方向に回転させるように持ち上げると、シャフトがスルっと入ります♪
手順10. アクスルシャフトを通す
↑右サイドカラーとキャリパブラケットの形状が一致した時、アクスルシャフトをトントンするとスルスルと通る。
治具が少しづつ押し出されれば完成まで間近!
↑あとはアクスルブロックを取付けるだけ。
手順11. ガタ詰めする
↑この作業はMUST
この作業を行う事で常にチェーンの張りが一定に保たれる。
※ウエス等をチェーンとスプロケに噛ませてもOK。
手順12. アクスルナット135Nmで締め付け
手順11のチェーンにテンションが掛かった状態で135N.mで締め付ける
手順13. Rrブレーキペダルを数回踏む
パッドが開いているので、ブレーキペダルを踏んでも効かない状態になっています。
数回踏むとパッドがディスクに押し付けられるので、いつものタッチになればOK!
RRR用タイヤ交換治具まとめ
このようにRrキャリパブラケットが落下する事がありません。
結果、キャリパマウントボルトを外す工数削減、キャリパやブラケットが落下→ホイールキズ付きの心配無用のメリットが生まれる訳です。
自分でタイヤ交換できる人に向けた治具なので、初心者の方でご購入頂いた方は最初は時間を掛けて、ゆっくりと理解しながら確実に作業を行ってくださいm(_ _)m
このアイテムは2022年4月8・9・10開催の名古屋モーターサイクルショー限定販売ですのでご了承下さい。
治具の互換性について
アクスルブロックが、下記Honda純正品番と同じであれば、使用可能です。
42306-MKF-D40 カラー,R.リヤーアクスル
※現在、SC77適合OKです