お役立ち記事!
掛かりにくいバイクエンジンが一発始動!キャブ車でできる3つの簡単なかけ方

バイクのエンジンが掛からない! セル回しても掛かりにくい! 寒い冬の始動性が悪い! こんな症状に悩んでいるオーナーも多いのではないでしょうか!?

こんにちは!@Andyです。(You tubeチャンネル→MOTO-ACE-VLOG

キャブモデルのバイクで冬眠からの目覚める時は、セルを回しても回しても中々エンジンが掛からないですよね。 1ヶ月放置しただけでも掛かりにくくなってしまう事も多いはず。

やっぱりセルが回る時間は少しでも短くしたいですよね!! セルが回るキュルキュル音は心臓に悪いし。

キャブモデルのバイクはちょっとしたコツで確実&早くエンジンが掛かるようになります

特にZRX1200、1100オーナーの方は 始動直後の4番IN側カムに早くオイルを供給できるので カジリ予防にも繋がりますしね(╹◡╹)☆

最新バイクは全てフューエルインジェクションと言うシステムを使って、エンジン内部に燃料を送り込んでいます。

対してキャブレターと呼ばれるユニットを搭載しているバイクもまだまだたくさん走っていて、特にネイキッド系のバイクを中古で購入するとキャブ車がまだまだ現役。

このキャブと呼ばれるユニット。。。中々の曲者でトラブルの原因になる事が多々あります。  でも構造と機能を知ればトラブルにも対処できますし、不具合を予防する事もできます。 キャブ車オーナーの方は是非ご覧ください♪

当ブログ記事はコピー禁止です。詳細→当ブログの記事コピーに関するルール

1. バイクのエンジンが掛かり易くなる方法

燃料コックの種類によって少し方法がことなります。 この3つを守る事でエンジンは早く掛かってくれるよ!!

負圧 燃料コックの方法
  1. コックを「PRI」にして30秒待つ。
  2. チョークを目一杯引く。
  3. アクセルに触らずセルボタンを押す。
普通 燃料コックの方法
  1. コックを「ON」にして30秒待つ。
  2. チョークを目一杯引く。
  3. アクセルに触らずセルボタンを押す。

特に3つめの「アクセルに触らずセルボタンを押す」事がとても大事。 やはり一生懸命アクセルを開けてエンジンをかけようとしているライダーを大勢みかけます。

アクセルを開けてしまうとエンジンはよけい掛かりにくくなるんです!!  後述していきますので、とりあえずインプットしておいてください。

 

2. 長期保管後のエンジンが掛かりにくい理由とは

バイクは冬の間などどうしてもしばらく乗らないって事がありますよね。 で、久しぶりに乗ろう!と思ってエンジンを掛けようとしたら・・・アレ? セルを回せど全然掛からん! ナンデ・・・

バッテリーが弱くなりそうな気がしつつも、更にセルを回し続けるとボ・・ボボ・・と言いながら何とか掛かった!って経験ありませんか? 実はエンジンが掛かりにくくなる理由がちゃんとあって、対策することができます☆ もう怖くない!!

 

理由1. キャブのフロート室にガソリンが無いから

キャブレターユニットの燃料システムを搭載しているバイクは、フロート室にガソリンが満たされていなければ、エンジンが掛かりません。

フロート室とは、キャブユニットの中の ”ガソリンミニタンク” の働きをします。 このミニタンク(フロート室)から必要な分量だけガソリンがエンジン内部に吸い込まれていきます。

*フロート写真

つまり、このミニタンク(フロート室)が空っぽになってしまえば、ガソリンがエンジンに入りません。 ガソリンが無ければエンジンは燃えませんから、当然エンジンも掛かりません。

では、なぜキャブのミニタンク(フロート室)のガソリンは無くなるのか??

 

ガソリンは気温がマイナス43℃以上で液体→気体に変化できる

危険物取扱者の資格などを持っている人は理解が早いと思います。

北海道の大地でバケツにガソリンを満タンにして放置したとします。−44℃の場合は、ガソリンが気化しないのでいつまで経ってもガソリンは減りません。

ところが−43℃になると液体のガソリンは少しづつ気体に変わり、大気と混ざってどこかへ行ってしまいます。

つまりバケツのガソリンの量は減っていきます。 これは温度が高くなればなるほど気体になりやすくなります。  水が乾く時も気温が高い方が乾きやすい事と同じです。

 

液体のガソリンは、人間が普通に生活する気温においては簡単に気化できる事がわかります。

このガソリンの性質のおかげで、フロート室のガソリンは少しづつ気体へ変化して空気と混ざりフワフワとどこかへ飛んで行ってしまいます。

その結果、フロート室に溜まっていたガソリンが少しづつ減って最後は空っぽになります。

 

理由2. 燃えにくい成分のガソリンがフロート室に残るから

エンジンが掛かりにくくなる理由の2つめは、長期保管するとフロート室(ミニタンク)に燃えにくいガソリンばかりが残ってしまう事にあります。

ガソリンは気化しやすい成分から先にどんどん気体に変わっていきます。 逆に気化しにくい成分は残ったまま。

エンジンは、ガソリンを気化させた気体空気を混ぜて燃焼します。

ガソリンが気化せず液体のままならエンジンは掛かりません。

長期保管した後にフロート室(ミニタンク)に残っているガソリンは、気化しにくい成分のガソリンなのでエンジンが掛かりにくくなってしまいます。

 

長期保管後にエンジンが掛かりにくくなる理由のまとめ

もう一度エンジンが掛かりにくくなってしまう原因をおさらいしておきます。

エンジンが掛かりにくくなる理由

  • キャブのフロート室(ガソリンミニタンク)がガス欠で、燃料がエンジンに入らない事。
  • キャブのフロート室に、気化しにくい成分のガソリンが残ってしまう事。

平たく言うと、ガソリンが無い!

燃えにくいガソリンばっかり残る! こんなイメージです。

 

掛かりにくい理由がわかれば、対策案が決まりますよね。 とっても簡単!

燃えやすい新鮮なガソリンをフロート室(ミニタンク)へ満タンにしてあげればOKです。

 

 

3. フロート室の構造

キャブのフロート室はどのような構造になっているのか? 構造を理解する事でガソリンの流れも理解できます。

フロート室でどんな事件が起こるのか? 原因が分かれば対策する事ができますね!!

 

構造1. フロートはこの部品

キャブレターユニットの下側の部品で、ガソリンの自重で燃料タンクから運ばれてきます。

キャブレター仕様のバイクはすべてこのフロート室を持っています。 タンクからら運ばれてきた燃料を一旦貯蔵します。

 

構造2. フロートの作動メカニズム

ではこのキャブユニットのフロート室ではどのような動きをしているのか? これを理解すると長期保管後にエンジンが掛かりにくくなる理由に納得できるはず♪♪

フロートを構成する部品
  • フロート = 「浮き」と呼ばれる部品で、フロート室の中に溜めたガソリンにプカプカと浮く役割です。
  • フロートバルブ = フロートが浮き上がるとガソリンを止め、ガソリンが消費され少なくなるとフロートが下がってガソリンを流入させます。
  • バルブシート = フロートバルブと密着する事で、ガソリンの流入を止めます。

キャブのフロート作動原理の説明

 

①ガソリンが気化する

フロート室のガソリンが気化すると、フロート室のガソリンの量が少なくなります。

すると、フロートが下がります。

 

②ガソリンが供給される

フロートが下がると、フロートバルブの位置も下がります。 するとバルブシートにすき間ができて、タンクからガソリンが供給されます。

 

③ガソリン満タンでストップ

ガソリンがフロート室へ供給されると、フロート位置が上昇していきます。 フロート位置の上昇にともなってフロートバルブの位置も上昇します。

フロートバルブとバルブシートが密着すると、ガソリンの通路にフタをされた状態となりガソリンの供給がストップします。

ガソリンが気化したり、エンジンに供給されて少なくなると、①へ戻り③までのサイクルを繰りかえします。

 

構造4. 実際にフロートが動く瞬間

この動画の動きを分解するとこうなります↓

①燃料コックを開いて、燃料タンク→フロート室へガソリンを流します。

②ガソリンがフロート室に入り、黒色のフロートがだんだんと浮いて行きます。

③フロートバルブが上昇し、バルブシートに密着すると、通路が閉じてガソリンが止まります。

エンジン運転中はガソリン消費量が多いのでフロートが小刻みに上下に動いて、ガソリンを入れたり止めたりします。

長期保管の場合は、ガソリン消費量はわずかですので、フロートの上下動もとても小さく細かな動きになります。

 

4. キャブレターを詰まらせるメカニズム

ガソリンがフロート室でどのように気化するのか、フロートがどのような動きをするのかが理解できた貴方は、キャブレターが詰まるメカニズムもわかってしまいます!(^^)!

さきほど、フロートチャンバ内のガソリンは気化しやすい成分から気化する事がわかったと思います。

逆に言い換えると、気化しにくい成分のガソリンがフロート室に残る。実はこの気化しにくい成分と言うのはガソリンンが変質しやすく、ガム質になったり緑サビが浮いたりして、キャブレター内部にあるガソリン通路を詰まらせてしまいます。

ガソリンの通路が詰まれば、エンジンにガソリンが入る事ができず、エンジンは掛かりません。

また詰まる通路によってはエンジンは掛かるけと、アイドリングしないなど不調の原因にもなります。

 

気化するとガソリンが少なくな流ので自動的にタンク → フロート室へ供給されます。やがて満タンになるとフロートバルブが閉まります。 するとまた気化しやすい成分だけが気体になり待機へと放出され、気化し難い成分はフロート室へ残ります。気化して量が減った分が新たに供給されます。

不具を起こす!恐負のスパイラル
①キャブ内のフロート室ガソリンが気化

気化し難い成分が残る

③フロートが下がり燃料タンクから新たなガソリンが補充される

④キャブ内ガソリンが気化

気化し難い成分だけが残る(2回目)

キャブ車で長期保管している間、ごくごくわずかな量ですがガソリンが消費され、新たに供給されると言うサイクルが繰り返されています。

その結果、気化しにくい成分だけが残りエンジン始動不良になったり、全くエンジンが掛からない、キャブが詰まったなどのトラブルを引き起こしてしまうのです。

なんとかしてこの負のスパイラルを止めたいですね・・・。


キャブが詰まるとこんな状態!

フロート室に貯められたガソリンは、エンジンの回転数や、アクセルの開け具合によって様々な通路からエンジンに吸い込まれていきます。

通路の長さと太さがとても重量な役割を担っていますが、気化しにくいガソリンが長期にわたって居座ると、通路を塞いてしまったり、フロートの動きがスムーズでなくなったりします。

そうなると、エンジンにガソリンが行かなかったり、不足したりしてまともに走れず、整備士の元へいくしかありません。

 

5. 燃料コックの機能

今までの事が理解できると、次は燃料コックの必要性が簡単にわかるようになります。

 

バイク用燃料コックの説明

これが燃料コックです。 燃料コックはタンクとキャブレターの間に設置されていて、ガソリンの通路を遮断する機能と、予備燃料へ切り替える機能の2つをもっています。

負圧式 燃料コック ガソリン経路の比較
エンジンが運転中なのか、停止中なのか?でこのような違いがあります。
エンジン運転中
  • ON =自動でガソリン通路が開く
  • RES=自動でガソリン通路が開く
  • PRI=強制的にガソリン通路が開く
エンジン停止中
  • ON =自動でガソリン通路が閉じる
  • RES=自動でガソリン通路が閉じる
  • PRI=強制的にガソリン通路が開く

 

「ON&PRI」の位置では、エンジンが掛かっている時だけガソリン通路が自動で開きます。

対してPRIは、エンジンの状態に関係なく常に開きっぱなしです。 ここが大きく違うポイントです。

 

コック機能1. ガソリン経路の開閉機能

ガソリンは、「ガソリンタンク → 燃料コック → キャブレター」 の順に通過していきます。

燃料コックのお蔭で、ガソリンタンクからキャブレターのフロートへ燃料を遮断したり、解放したりする事ができます。

エンジンが停止している間、燃料コックによってガソリン経路を遮断しておくと、フロート室のガソリンが駐車中に気化しても新たなガソリンが供給されません。

新たなガソリンが供給されなければ、キャブに燃えにくい成分のガソリンが残る事もないし、詰まらせる可能性もグッと低くなります。

不具を起こす!恐負のスパイラル
①キャブ内のフロート室ガソリンが気化

気化し難い成分が残る

③フロートが下がり燃料タンクから新たなガソリンが補充される

④キャブ内ガソリンが気化

気化し難い成分だけが残る(2回目)
燃料コックを閉じた時
①キャブ内のフロート室ガソリンが気化

気化し難い成分が残る

③フロートが下がる。

④燃料コックによって通路が閉じており新たなガソリンはフロートにこない。

 

 

コック機能2. 予備燃料切替え機能

燃料コックが装備されたモデルは、通常走行のONの他に、予備燃料のRESの機能が備えられています。

これはクルマと違い、昔のバイクには燃料計が装備されていなかった事による歴史が関係しています。

クルマの場合はメーターパネルに燃料計が装備されていて、あとどのくらい燃料が残っているかドライバーが知る事ができます。

しかしバイクの場合はメーターに燃料系がありませんでした。 そのまま燃料量の事をわすれてツーリングに出かけアレ!? って思った時にはガス欠・・・。  これでは困るので、燃料コックを「RES」に切り替えあとすこし走れるよ!

と言う機能を持たせたことが始まりです。 その後ライダーの中ではRESへ切り替える習慣が当たり前となり、燃料系を搭載したモデルが出てもRES切替え機能は残りました。

そしてキャブ車は無くなりインジェクションモデルだけとなった今は燃料系、残量警告等を装備したモデルが当たり前になりいつしか燃料コックはその役目を終える運命となったのです。


燃料コックには負圧式と普通式の2種類ある!

ZRX1200の燃料コックZRXは「RES-PRI-ON」の表記
NSR250の燃料コックNSRは「OFF-ON-RES」

 

ZRXの表示をよーく見て下さい。「RES-PRI-ON」になっています。 アレ?OFFはドコ行ったん??

さて、なぜこのように表記が異なっているのでしょうか?? そもそも燃料コックはバイクを保管する時に燃料の負のスパイラルを絶つ為に存在している事は先に記した通りです

もちろん燃料コックをOFFにすればガソリン経路は絶たれ目的達成です。 OFFにすれば・・・ね!?

 

そう! ついうっかり燃料コックを開いたまま一冬を越してしまうユーザーがたくさんいたのです!!ww

せっかく燃料コックを設けてもOFFにしなければ意味がありません。 寒い冬、エンジンを掛ける気もないのにご丁寧に燃料だけは供給してくれる優しいライダーが多かったんですね!(^^)!

しかし暖かくなってきた春先に「さあ俺のバイクに乗ろう!」と思った時はすでに遅し! キャブオーバーホールをしないとエンジンがかかりましぇーん。。。(-"-) となるユーザーが非常に多かったのです。

しかもキャブオーバーホールは4気筒バイクなどは脱着に手間が掛かる上、小さな部品全てを分解洗浄するので工賃も跳ね上がってしまいます。 (決してぼったくりではありません。ほんとに工数が必要なんです)

それを機に乗るタイミングを失い「更に乗らない」 → 「もっとコンディション悪化」 → 「更に乗る気が失せる」 → 「バイク王に電話」・・・南無阿弥陀仏。

と新たな負のスパイラル発生!! ユーザーが忘れてもしっかり燃料コックを閉じてくれる機構を追加したのが「負圧式燃料コック」です。

 

負圧式燃料コックとは?

今までにあった「OFF」の位置がありません。 その変わりに、

「ON&RES」の位置でエンジンが掛停止していれば、自動的にOFF。

エンジンが掛かれば自動的にONになります。

これで、万が一オーナーが燃料コック位置をOFFにし忘れても、全く問題ありません。

旧式のコックしかなかった時代は、家に到着する数キロ手前でコックをOFFにして、ホース内に残ったガソリンだけで走り、家まで走れるギリギリの距離を伸ばす事に快感を感じていた経験のある方は絶対30歳以上でしょう!笑

この負圧式コックのお陰でキャブトラブルは激的に減りました。しかし今度は長期保管後にエンジンは掛かるけど、セルを長く回さないと掛からない! と言う事象が起こります・・・。 後ほど池上先生が教えてくれるでしょう♪♪

 

6. チョークレバーの使い方

キャブモデルのバイクは、クラッチレバーの横あたりに「CHOKE」と書いたレバーを見た事ありませんか? *場所はモデルによって異なり、キャブボディに装備されているモノもあります。

チョークの使い方
  1. 始動する時は、ストッパーに当たるまで、目一杯引く。慣れてくると、ハーフチョークなんて位置も自分で分かるようになります。
  2. エンジンが掛かり安定したら走行ポジション(元の位置)へ戻します。エンジンがしっかり温まるとアイドリング回転数が4000回転位へ自然に上昇。
  3. 燃料コックONの位置を確認したら出発♪♪

 

そしてこの時、絶対に守らなければならない事があります。

絶対にアクセルを開けてはならなりません。

アクセルを開けた方がエンジンは掛かりやすいような気がしますよね。 しかしアクセルを開けるとエンジンは掛かりにくくなってしまう事は間違いありません。 それはなぜ?

 

アクセルを開けると始動する為にピッタリ合わせたガソリンと空気の割合を崩してしまう!事が理由です。

ガソリンは液体のままでは燃える事はなく、気体に変化させ、空気と混ぜた混合気をエンジン内部に送り込む必要があります。

この時、ガソリン1gに対して、空気14.7gを混ぜ合わせた気体に火をつけ燃焼させると、完全燃焼させる事ができます。 (体積比にすると8000倍の空気を必要とします。スゴイ!)

しかし! 真冬の朝一番、集合場所の海老名SAへ向かおうと自宅でエンジンを掛けますよね。 この時エンジンは外気温近くまで温度が下がっていますから、ガソリンがちっとも液体から気体になってくれません!

アッツアツに熱したフライパンに水を掛けると一瞬で蒸発しますよね!?  ガソリンも同じで冷えたエンジンでは中々蒸発(気化)してくれないんです。  それでもガソリンの性質上、少しは気化してくれます。

 

バイスタータバルブが開いて始動専用のガソリン通路を開く

各メーカーの開発陣はガソリンが気化しにくい条件でもエンジンを始動できるよう設計してくれています。

バイクのチョーク(バイスタータバルブ)の作動

チョークレバー(スタータレバーと言う場合有)を引くと特別なガソリン通路が解放され、たくさんのガソリンをドバドバっとエンジンに供給します。

この時、ガソリンをドバドバっと吸い出す力は、セルモータで回されたエンンジンが空気を吸い込む力です。

アクセルを開くとその吸い込む力(負圧)が弱くなってしまうので、せっかく始動用のガソリン通路を開いても、ガソリンを吸い出す事ができなくなってしまいます。

もしどうしてもと言う時は、アイドリング回転数を調節するスクリュで少しだけアイドルアップの方向に回してやると効果的です。 間違っても手でアクセルを開けてはなりません! 。。

 

 最新マシンのインジェクションモデルも、エンジンがキンキンに冷えた状態で始動する時はやはりアクセルを開けてはいけません。 始動専用のプログラムが作動していて、アクセルが閉じた状態で適正な空気とガソリンの量を計算してくれています。 アクセルを開けて空気だけを送り込んでしまうと、空気とガソリンの比率が狂って掛からないor掛かり難くなってしまいます。   長期保管後は、燃圧が下がっているので、キルスイッチをOFF → ONを二回ほど繰り返すと、燃料ポンプが回って燃圧が適正値に上がります。

これで準備完了! あとはセルボタンを押してエンジンを掛けるだけ!!


7. これでエンジンは一発で始動できる!

負圧式 燃料コックの場合
  1. コックを「PRI」にして30秒待つ。
  2. チョークを目一杯引く。
  3. アクセルに触らずセルボタンを押す
普通 燃料コックの場合
  1. コックを「ON」にして30秒待つ。
  2. チョークを目一杯引く。
  3. アクセルに触らずセルボタンを押す。

この3つの動作でエンジンは一発で掛かっちゃいます!

 この時、アクセルは絶対に開いてはいけません! 負圧コックの方は始動後コック位置を「PRI」→「ON」の位置へ戻す事をお忘れなく!
ダニエル
ん??ちょっとまった! 負圧コックはさっきエンジンが停止したら自動的にOFFし、エンジンが掛かったら自動的にONになるって言ったじゃないか! なぜコックを触る必要があるのかわからない!
彰先生
ダニエル君、いい質問ですね〜! 負圧コックのバイクで長期保管するとキャブ内のガソリンが少しづつ減る事は勉強しましたね。

では減った状態で再始動するまでは、キャブ内のガソリンが不足した状態でエンジンを掛ける事になってしまいます。ガソリン不足ですからエンジンが掛かるはずがないですよね!

ダニエル
ますます分からなくなった! 燃料不足だからエンジンがかからない → つまりコックはONしない → ガソリンが来ない → ずっとエンジンはかからない って事??
彰先生
ダニエル君おしい!

実は負圧コックをONにしてセルを回している間も僅かながら燃料コックが開きます。

なのでセルを回し続ければいつかキャブ内にガソリンが満タンになりますよ! コンディションによって異なりまが、かなり長い時間セルを回さなくてはいけませんから、あまり心臓に良いとは言えませんね!



そうなんです。長期保管の時にガソリン経路を自動で遮断してくれるのはとても良い事なのですが、いざキャブにガソリンを入れたいと思ってもセルを長く回すしかありません。 でも「PRI」(プライマリーと呼びます)にすると、エンジンが掛かっていなくてもガソリンが流れます

ですから、長期保管したあと一発目に掛ける時は、コック位置を「ON」 → 「PRI」にする事でキャブにガソリンを供給して満タンにしてやります。 何秒必要か一概に言えないので、とりあえず30秒あれば十分と思います。

そんな燃料コックもキャブレターユニットがなくなりフューエルインジェクションへとシステムが変わると姿を見かけなくなってきました。

昔はこっそり仲間のコックをOFFにするイタズラをしたもんですw いきなりエンジンが止まって、壊れたと勘違いして超絶焦る姿を見て笑うと言う下劣なアソビww

 HONDAのCB400SFに代表されるように、キャブモデルでありながら燃料コックの切替レバーのないモデルも存在します。この場合はひたすらセルを回すしか方法がありません!

 

8. エンジン始動の動画

YouTubeチャンネルのMOTO-ACE-VLOGでも解説動画を作成したので併せてご覧ください。(約15分)

ANDY
動画がお役に立てたら「いいね」のクリックとチャンネル登録をお願いします♪( ´θ`)ノ

 

9. ガソリンの詰まりを予防する方法

燃料コックを閉じる事で、長期保管中にキャブレターのフロート室で起こるトラブルを未然に防げる事をご理解いただけたと思います。

その効果を更に高める燃料添加剤としてWAKO'Sからフューエルワンと言う洗浄剤がリリースされています。 Andyが高校生の頃から存在するので20年以上?のロングセラーアイテムです。

  1. バイクが冬眠に入る最後のツーリングに出かける前に満タン&フューエルワン投入。
  2. その状態でタンクがカラになるまで走り家の直前で満タン給油&フューエルワン投入。

この2つを行う事で、キャブ内をしっかり洗浄でき、保管中のガソリンでキャブが詰まりにくくなります。 そして燃料コックを忘れずにOFF!(負圧式はON!)

タンクはカラの状態で長期保管すると空気と触れて内部が錆びてしまいます。 長期保管の時は必ず満タン状態をキープして下さい。

 

9. まとめ

負圧燃料コックの場合はこの3つの動作!

①燃料コックを「ON」→「PRI」の位置にして、30秒待つ!

②チョークレバーを目一杯引く!

③アクセルは触れず、セルボタンを押す!(アクセルは絶対開けない!)

④アイドリングが安定したらコックを「PRI」→「ON」の位置へ戻す事を忘れずに!

 

普通燃料コックの場合はこの3つの動作!

①燃料コックを「OFF」→「ON」の位置にして、30秒待つ!

②チョークレバーを目一杯引く!

③アクセルは触れず、セルボタンを押す!(アクセルは絶対開けない!)

④帰宅前1km時点で「ON」→「OFF」の位置へ戻して記録に挑戦w!

あ、タイトルにテクニック3選と書きながら4選でした・・m(__)m。

ツーリング先などでエンジンが温まっていればアクセルを多少開いても始動できるのですが・・・

そのノリで寒い冬の朝一番にやってしまうと、本来すぐに掛かるハズのエンジンが掛かり難くなり・・、一生懸命セルを回してもプラグが被り・・、バッテリーは亡くなり・・と、イイ事はありません。

寒い時はどうもエンジンが掛かりにくい!」と感じているキャブ車オーナーの方へ特にオススメの方法でした♪♪  この記事を読んでエンジン始動が楽になれば嬉しいです!

Let's Fun! Ride! Run!
Andy

この記事が気に入ったら フォローしよう

最新情報をいち早くお届けします。

Twitterでフォローしよう