「文字を読める」人って実は非常に少ない! とホリエモンが言う理由が、VlogやBlogをやっているとよく分かります。
2023年7月1日から改正道路交通法が施行され、いわゆる電動キックボードの規制が強化されました。
は?
電動キックボードが解禁されたんだろ?
免許不要!
ノーヘル!
歩道OK!
マジあぶねーわ!
馬鹿じゃね??
まぁヤフコメは大方こんな感じのコメントで溢れかえっています。
そして自分のユーチューブチャンネル(MOTO-ACE Vlog)でも「今回の意見には賛同できません。残念です」とか「電動キックボードは危なすぎるのが何故わからないのか」など勘違いコメントで溢れました♪
電動キックボードは安全!なんて一言も言ってないし、なんだったら「危ねー!」とまで動画内で発言しているのにこうなっちゃうのは何故なのか・・・
その答えは思い込みと知識不足、この2点です。
特に「免許を持たないから法律を知らない」と散々コメントされましたが、そのコメント書いてる免許持った本人が新法を知らんとは何事か!爆
つまり法律の理解と免許所持は全くもって関係が無い事を本人自ら証明してくれましたw 勉強すれば免許の無い高校生でも理解できる事です/
と言う事で今回は電動キックボードに関する法律について解説していきます。
記事の目次
電動キックボード法規制を世界基準と比較
世界基準と比べて日本の法律はどのレベルに居るのか?
各国と比較する事で立ち位置が分かります↓
※スマホの方、文字が小さくてゴメンナサイm(_ _)m
最高速は日本が最も低速
日本とドイツが20㌔で最も低速である事が分かります。
また電動アシスト自転車は24㌔までアシストされ、25㌔でアシスト無しになります。
つまりママチャリより遅せぇ〜!
通勤時間帯に走っているチャリは大人がシャカシャカ漕いだらすぐに20㌔なんて超えて、健脚男子なら30㌔は出ます。 つまり原付きと同じ速度。
今の自転車よりも規制が強化されている事が明白ですよね。 これが理解できないのなら完全にバカです。
言い換えると今の自転車より最高速が安全側(速度差が小さい方向)へ規制強化されています。
またアメリカやオーストリアでは25㌔と最も早いスピードですが、現実的なスピードだと思います
歩道OKは日本とシンガポールのみ
シンガポールは10㌔、日本は5㌔。
オーストリアは、条例で認められた区域に限り歩行者に合わせた速度ならOK。となっています。
歩行者に合わせた・・・
歩行者と同じ速度・・・ではない。
凄く分かりやすいですね。
日本の5kmってのはどうなんだ?
どんなレベルなのか?歩行速度の目安
小学生の遠足 | 2.5㌔ |
小学生高学年の単独歩行 | 3.5㌔ |
成人男性歩行速度 | 4.0㌔ |
成人男性の早歩き | 6.0㌔ |
シニアカー ※法規制速度 |
6.0㌔ |
電動キックボード ※法規制速度 |
5.0㌔ |
成人男性の自転車 | 20.0㌔ |
この中で最も危険な乗り物はどれか??
電動キックボードと答える人は居ません。 歩道をおばちゃんが乗る自転車に走られる事が一番危険である事は火を見るよりも明らか。
立ち漕ぎする高校生の自転車なんて原付き以上の速度出ますからね〜。
つまり
歩く速度と同じです!
今歩道を爆走する自転車と比べて、電動キックボード・・いかがですか?
年齢制限
日本 | 16歳 |
シンガポール | 16歳 |
アメリカ | 16歳 |
ドイツ | 14歳 |
フランス | 14歳 |
オーストリア | 12歳 |
一番厳しいのは日本含めた16歳からとなっています。
オーストリアでは、条例で認められた区域の場合は12歳からOK、自転車の運転免許を持っている場合は12歳以下でも一人運転が可能となっています。
16歳は早すぎる年齢なのでしょうか・・??
ルールや車両特性を加味しながら認知→判断→操作ができる年齢と言えます。
運転免許不要はアブナイ!?
日本 | 不要 |
シンガポール | 不要 |
アメリカ | 不要 |
ドイツ | 不要 |
フランス | 不要 |
オーストリア | 不要 ※1 |
免許取得を義務付けている国はありません。
唯一、オーストリアでは12歳以下で運転する場合は自転車の運転免許取得が義務付けられています。
日本って資格主義的なところがある事も理解しますが、特段難しい操作は必要ありません。
あとは既にある「自転車」との比較です。
小学生低学年も運転して信号を守っていますよね。 自転車よりもスピードを抑えた乗り物で走れる場所も自転車と同じ。
自転車と同じく免許は不要と考えるのが自然です。
自転車が現代社会に受け入れられている事を鑑みれば、自転車より厳しい規制を敷いた特定小型原付きが免許不要である事になんら疑義は生じません。
ノーヘルOKはあり得ない!?
日本 | 不要 ※努力義務 |
シンガポール | 不要 |
アメリカ | 不要 ※18歳未満義務 |
ドイツ | 不要 |
フランス | 不要 ※強く推奨 |
オーストリア | 不要 ※12歳以下義務 |
各国不要と制定するものの、着用を推奨している。
これはシェアレンタルを考えればすごく良いギリギリの規制だなと思います。
個人所有する人は恐らくヘルメット着用する人が多いと思います。 A地点〜B地点への移動でヘルメットが苦になる事はないでしょう。
しかし問題は出先でレンタルする場合。
例えば名古屋から東京へ出張して、東京駅からレンタルして乗る場合、ヘルメット義務だったら名古屋から持っていく事になります。
ヘルメット持って出張できるかい!笑 と誰もが思うでしょう。
じゃ、電動キックボードにセットで借りればいいじゃん? ←ごもっとも。
だけどその前に誰が頭突っ込んだかも分からんヘルメット被るのは無理。 汗臭いオッサンだった暁にはトラウマになるレベルでしょww
努力義務になったお陰でノーヘルOKです。 まぁリスクとメリットを天秤に掛けて、どっちを選ぶかはもう本人の自己責任で全然いいと思います。
世界を見渡せばノーヘルでバイクOKの国も沢山ありますからね。 痛い思いをするのも、死ぬのも自分の責任。
日本が特別グローバルスタンダードから外れている訳ではありません。
保険加入義務
日本 | 有り |
シンガポール | 無 |
アメリカ | 無 |
ドイツ | 有り |
フランス | 有り |
オーストリア | 無 |
保険加入義務は各国で判断が分かれていますね。
日本、ドイル、フランスが加入義務となっています。
日本の電動キックボード強制保険料(自賠責)
総額の保険料 | 1年あたりの保険料 | |
1年 | 7,070 | 7,070 |
2年 | 8,850 | 4,425 |
3年 | 10,590 | 3,530 |
4年 | 12,300 | 3,075 |
5年 | 13,980 | 2,796 |
基本的に今までの原付き(原付1種)と同じ保険料です。
また任意保険はファミリーバイク特約が使えるもの大きなメリットです。
自転車はファミバイ特約が使えないので「日常生活賠償特約」などのオプションを追加する事になります。
補償額はクルマと同じで
- 相手死亡:最大3,000万円
- 相手後遺障害:最大4,000万円
- 相手ケガ:最大120万円
となっています。
ファミバイ特約を使えるなら保険料は1万円〜あるので、独立して加入するるより2万円/年程度お得に入れます。
電動キックボードが走れる場所はどこ?
- 車道
- 自転車専用通行帯
- 普通自転車専用通行帯
※特定小型は、歩道・路側帯の走行NG
※軽車両(自転車)は路側帯の通行が可能ですが、特定小型原付きはNGとなっています。
基本的に車道の左端を走行しなければなりません。
また自転車専用道路がある場合は、そちらを走行します。
要約すると
- 車道の左端を走行せよ!
- 普通自転車専用道路走ってオケ!
- 歩道NG!
- 路側帯NG!
って事になります。
電動キックボードが歩道を走る条件
- 最高速表示灯(緑)を点滅させていること
- 車体構造上6km/hを超えない速度であること
- 側車を付けていないこと
- ブレーキが走行中用意に操作できる位置にあること
- 鋭い突出部のないこと
となっています。
時速5キロで、リミッターが効く状態でなければなりませんよ!
※アクセル操作によって6km/hを超えない速度でコントロールする事は要件外となり、「特例特定小型原付」には該当しません。
また、特例特定小型原付きモードであれば、路側帯も通行可能です↓
第十七条の三 特例特定小型原動機付自転車及び軽車両は、第十七条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(特例特定小型原動機付自転車及び軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
2 前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車及び軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
(罰則 第二項については第百二十一条第一項第八号)
要約すると、
- 最高速表示灯(緑)を点滅させよ!
- 最高速は5km/h
- 如何なる時も歩行者の邪魔するでない!
となっています。
また、走行できる歩道も道路標識で決められています↓
電動キックボードが歩道走行可能な歩道
↑この標識(歩道の自転車通行OK)があるところのみ、走行可能です。※最高速は5km/hです
標識が無ければ、特例特定小型原付きであっても歩道走行は違反です。
要約すると
- 標識が無ければ歩道走行NG!
- 標識+特例特定原付き=歩道OK!
電動キックボードの技術仕様
電動キックボードにも技術仕様が定められていて、バイクで言う灯火器やナンバープレート、ブレーキなどは必須です。
またクルマやバイクで言う型式認定に相当する性能確認済みシールも必須です。 この確認番号などをググればどんな仕様で登録されているのか調べる事ができます。
これからどんどん激安品も輸入されてくると思いますが、この「性能確認済シール」の有無も確認するようにしたいですね。
特定小型原付きで違反したら捕まるの?
点数制度が無い事を除いて、原付きと同じ反則金&手続きです。
赤キップで罰金刑となれば、前科1犯ですよ!
電動キックボードは免許不要で乗ることができます。
しかし、違反をした場合は累積点数がありません。
つまり免許保有者が違反しても点数には響きません。(記録は残る)
青切符の違反の場合には反則金を納める事で終わらせる事ができます。
不服があり反則金を収めなければ通常の刑事手続きに移行します。
点数制度以外は全て「原付きと同じ」罰則規定が適用され、高校生だからといって反則金や罰金を逃れる事はできません。
また、赤キップに該当する酒気帯び運転、酒酔い運転、危険運転致死罪に該当する行為など・・・
これらは一発赤キップ処理になるので、裁判所にて罰金刑や懲役刑などが確定します。 原付きやクルマと同じく罰金刑=前科が付いてしまいます。
※因みに、軽車両(自転車)は信号無視でも赤キップ=前科一犯になるので要注意! クルマや原付きは信号無視は青切符です。 多くは警告のみで済まされる事が多いですが、最近はかなり厳しく取締りを行っているようです。
電動キックボード(特定小型原付き)法改正まとめ
世間や巷では「無免許あぶねー!」「歩道走行とか沸いてんのか!」「電動キックボード解禁無いわ〜!」など知らない人ほど声を大にして吠えてますね。
まぁそれも知らなければイメージで語るしかなく仕方ない事です。
しかし7月1日から施行された改正道路交通法は電動キックボードの規制をガンガン強化しています。 今の自転車以上に縛っている事はMOTO-ACE Blogを今日見ていただいた方はご理解頂けたと思います。
規制緩和でなく、規制強化されたのが今回です。 そしてその規制内容は各国と比べても特段ゆるい訳でなく、最高速や年齢、保険などむしろ厳し目である事が分かります。
これら法規制は、今の自転車交通と比べた時より安全になっていると言えますよね。
自転車のアシストは24kmまでですよ? しかもそっからシャカシャカ漕いだら30kmは出ちゃう。
電動キックボードは20km/hでリミッター作動です。 30kmで走る自転車と20km/hで走る電動キックボード、どちらが危険ですか?
答えは明白です。
また、電動キックボードは青切符制度を採用しました。 これによって警察も取締がしやすくなると考えます。
どう言う事か?
信号無視をした場合を想定します↓
普通車 | 2点 | 反則金9,000円 |
原付き | 2点 | 反則金6,000円 |
自転車 | ー | 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金 |
特定小型 | ー | 反則金6,000 |
自転車の場合は信号無視=一発赤キップ処理となり、簡易裁判所にて罰金刑となる事がほとんどです。
罰金刑=前科が付く 事になるので、警察としても過去あまり積極的に取締をしていませんでした。
簡単に乗れる自転車の方が罪の意識は軽いのに、罰はめっちゃ重いというアンバランスに警察官としても様々な感情が動いて積極的になりづらい運用となっていた事も想像に難しくありません。
青切符であれば心理的ハードル、事務処理的ハードルもグッと低くなるので、積極的な取締が大いに期待できます。
警察による取締は抑止力として大きな効果があると思いますから、期待するところです。
先ずは無法状態であった自転車に比べ、かなり厳しい規制が施行され下準備が整いました。 あとはこの規制をしっかりと周知徹底してモラルのあるライダーを増やすことが、結果的にモラルの無い自転車を駆逐していく事につながると思います。
電動キックボードが危険なのではなく、危険な人物が乗る乗り物が危険である事は分かりきった事実です。
電動キックボードがより生活を便利にしてくれる可能性は大いに秘めていると思うので、安全に普及して欲しいですね!
絶対やると思った #LUUP pic.twitter.com/I0Y6ejlmWX
— 水島六郎 (@mizloq) July 16, 2023
なんて言うか・・・ 当たり前過ぎるけどルールを無視するヤツは自転車もバイクもクルマも大型も居る訳で、電動キックボードだけ無くなる訳はありません。
今後死亡事故も必ず起こります。←当たり前だけど1軒