Moto-Ace技術研究所のANDYです。
練習走行の為、鈴鹿サーキットを良く走行するのですが、チームが帯同できない時は、ライダーとメカニックとヘルパーを1人3役で自分でこなさなければなりません。 鈴鹿サーキットの場合は、午前中に30分×3本、午後に30分×2本を走行するのが通常です。
午前→午後の休み時間は2時間以上あるので整備やセッティング、その他準備などに時間をかけられるのですが、それ以外は次の走行まで1時間しかなくその間に着替えたりガソリン補給したりセッティング変更や軽整備など、やる事がいっぱいで中々時間が取れません。
そんなサーキット整備あるあるの中に、「タンクキャップの鍵の紛失」があります(・.・;) 街乗りバイクで言うメインキーは無くて、ただのスイッチ一つでセルが回りエンジンが掛かります。 だから鍵は不要なのです。 ところが、燃料タンクだけは、量産仕様そのままなので、鍵が無いとガソリンを入れられません。 いつも工具箱に入っているハズなのにな~い!! どこいった!! なんて事がまれにあります。 特にレースなど手伝ってくれる人が大勢になった後に紛失し易い傾向です。(自分調べ)
鍵が無くてもタンクを開けられるよう簡単に改造できますので、レーサーの方の作業負担を減らす事ができたら嬉しいです。 *ちなみに他人のバイクへは悪用できませんのでご安心下さい。
記事の目次
タンクキャップの改造手順
この改造を行うと、タンクキャップを開ける為に必要な鍵が不要になり、5円玉で開けられるようになります。(もちろんマイナスドライバの工具などもOK) 改造しても不意に開くことはありませんので、レースレギュレーションもOKです。
手順1. 必要な工具
- 六角レンチ *ボールヘッドのあるL型があると作業性GOOD
- 2番プラスドライバー
- 配線ドライバー(マイナス)
- 自分のバイクのメインキー (レーサーの場合はタンクの鍵)
準備する物はこれだけです。 特に2番プラスドライバーが必ず必要になりますのでお忘れなく! ネジロックが塗布されているので、ネジ頭をナメない為になるべく角の立った新しい物がおススメです。
手順2. タンクキャップを開けて、キャップ本体を取外す。
タンクキャップを開けると、締付ボルトが3本現れます。
六角レンチで3本を外すとポロっと取れます。
所用時間:2分
手順3. ラバーシートの取り外し
配線ドライバの先にあるラバーシートを少しづつ外していきます。なにもネジ止めされてないので、ただめくるだけで外す事ができます。
但し、薄板なので、一気にめくると曲がってしまいます。
根気よくすこしづつ外して行って下さい。
所用時間:1分
外れる一歩手前です。
手順4. キャップをスイングプレートから取外す
配線ドライバの下に見えるM3のプラスビスを3本外します。
ラバーに隠れていますが、120°ピッチで配置されますのでラバーをめくれば、見つける事が出来ます。 このビスはネジロックが塗布してありナメ易いので、ドライバーを垂直にしっかりと当てて緩めてください。
所用時間:2分
ビス3本が外れると、3つの構成部品に分解できます。
手順5. キーシリンダーを抜く
キーシリンダに鍵を差してタンクを開ける時と同じ様に回転させます。
その後、キーを引っ張ると・・・ズボっとキーシリンダが抜けます。
こんな感じで簡単に抜けます。
所用時間:15秒
手順6. ワッシャーとスプリングと取外す
シリンダーから飛び出ている物がワッシャーです。 普段はこのように飛び出している状態です。
この状態で鍵を挿入し回してもワッシャーが引っかかって回転しません。=フタが開かない。
また、違う鍵を差しこんでもワッシャーの位置が合わず、飛び出したままの為、やはりシリンダーは回転できません。
正しい鍵を挿入した時だけ、こワッシャが内側へ引込み、シリンダーが回転し、鍵を開ける事ができます。
今回は、このわっしゃー5枚とスプリング5本全て取外します。
手順7. 逆の手順でくみ上げて完成!
このプラスビスを締め付ける時は、斜めになる可能性が高いので慎重に行って下さい。後は何も難しい事はありません。強いて言うなら、最後タンクキャップをタンク本体に取り付ける時に、タンクの中へボルトを落とさないように注意して下さい!
完成形態!!
これでどんな工具でもタンクを開ける事ができるようになりました! 5円玉でも開けられます☆ タンクのロック機能は損なわれていませんので、万が一鈴鹿サーキットで転倒してもタンクキャップが開く事はありません。
工具が揃っていれば、分解→組立まで15分あれば余裕をもってできる改造です。
興味のある方は是非TRYしてみて下さい!
どんな小さなご質問にもお答えさせて頂きます。是非コメント欄へお気軽にご記入下さい。
ANDYでした♪