こんにちは!@Andyです。
フルアジャスタブルサスペンション!! この良いワードを聞いて、「おぉ!! なにやらフルだしイイらしいぞ♪」 自分のバイクにもついてる♪ ウンウン!! と思っている方も多いのではないでしょうか? そして次に来る一言は「いや〜サスってわかんないからさ!なにも触ってないんだよね〜…」と、ココでちょっと凹む。
このパターンのライダーはかなり多いです。*Andy調べ。 最初はみんな知らないトコからスタートするんですから気にしない!! この記事を読んで、次乗る時に触ってて見よう! と思ってもらえたら嬉しいです☆
やっぱり人って「知らない事は難しく感じてしまう」生き物だと思います。 知らないからこそ分からない。 →難しいんだろうな? と想像してしまう。 速いライダーばっかりやたら「サスセッティングがーーー!!」なんて言ってるもんだから、余計に初心者は入っていけない。 自分は初心者だし… って事でその話題から遠ざかってしまう。。。
これは勿体ないです! 免許取り立てホヤホヤのライダーこそサスペンションセッティングはすべきだし、小柄な姫ライダーならその効果は抜群!! よく分からない。 と言うイメージが大きすぎて食わず嫌いになっているのなら、今日からバンバンセッティングしましょう!
記事の目次
1. プロは道具をセッティング
道具を使った仕事の代表格と言えば大工さん。 中でも宮大工は高い技術を持った人しかなる事のできない職業です。
鑿(のみ)と言って、木材加工に使う道具です。 溝を彫ったり形を削り出す時に使う道具です。 なぜこんなに種類があるのかを想像してみてください。 広い面を一気に削るのみや、細くて深い溝を彫る時など、目的とするカタチを作るには、そのカタチに合った道具(刃物)が必要ですよね?
幅5mmの溝を彫りたいのに、10mmののみでは彫る事ができません。(当たり前)
1-2. 身近なツール(道具)、カッターの使い分け
もう少し身近な道具に例えてみます。 誰もが見て、使った事のあるカッターナイフ。 刃先の尖ったアートナイフやノコ刃タイプは珍しいかもしれません。
幼稚園の先生が教室を飾り付ける時、折り紙を円に切りたいとすると、方法は大きく二つあります。
- コンパスで円を書いて、その線をナゾってカッターで切る
- サークルカッターで切る
どちらが簡単で早く綺麗に作れるか!? もう考えるまでもありません。 「綺麗な円を正確に速く切る為には、サークルカッターが最も適している」と言う事ができます。実はこの考え方はバイクでも全く同じなのです。
2.セッティング(調整)する目的は、なに?
ココがセッティングの入り口です。 この一つしかない入り口を間違えると、永久に脱出不可能な北◯◯に入国してしまいます。二度と出てこれません。
ですから、入り口は慎重に選ぶ必要があるのです。 でも一度確かな入り口を見つけておけば、出口までの道のりに差はあれど、確実に出る事はできます。 間違っても◯朝◯への扉は開けてはいけませんよ!!
仮に幼稚園の先生が折り紙を半径3cmの円に切り、それを教室に貼って装飾するとします。
この長ったらしい文章を分解するとこうなります。↓
- 目的‥‥‥迫力を増す事。
- 方法‥‥‥折り紙を切り抜く半径を3→5cmへ大きくした。
- 効果‥‥‥迫力を感じる事ができてOK。
このように、セッティングする時には、3つの要素が必ず存在します。 何をしたいのか? どうやるのか? その結果どうなったのか? この順番がとても大切ですから、必ず覚えておいてください。
2-1.バイクをセッティングする目的の例
足つき性をよくしたい!!
小柄なライダーにとって、バイクにまたがった時につま先しか地面に届かない事は、大きな大きな不安となります。 特に初心者の時には「ゼッタイ!!タチゴケシタクナイ!!!」と強く思うあまりにガチガチに緊張して、バイクを受け取ったお店の前で「がシャン!!( ・∇・)」とやってしまいがちです。
- イニシャルを抜いて車高を下げる
- 空気圧を低くして車高を下げる
- 車高を下げるディメンションを持った社外リンクプレートにカスタムする
- シートのアンコ(中身)を抜いて幅を狭くする
この4つを同時に行うとノーマルから比べればかーなーり足つき性は良くなります。 ここでベテランほど良く陥る事があります。それは「車高を下げる事」を目的としてしまう事。もしこの目的になってしまうと、「シートの幅を狭くする」と言う方法に辿り着く事ができません。
車高を下げる事は「方法」のはずが、いつの間にか「目的」に変わってしまっています。 ベテランほどこのマジックに陥りやすいのです。 冒頭にあった入り口を間違えてあの国へ行ったまま出てこれなくなってしまうパターンのやつです。
クラッチレバーに指を掛け易くしたい!!
小柄なライダーにとってクラッチレバー(ブレーキも)が遠い事は、発進操作がやり難く、特に右Uターンしながらではエンスト&立ちごけの恐怖からやっぱりガチガチになりガチです。
- クラッチレバーの遊びを増やして、レバー位置を近づける
- クラッチレバーの角度を腕〜指が一直線になる様変更する
- グリップ径を細くする
- レバー中心位置が近く形状の社外品に交換する
- グローブを薄手の物へ交換する
やはりこの場合に陥り易いのは、「レバー位置を調整する」事を目的としてしまう事です。 こうなると、「グリップの小径化」や「グローブの厚み変更」と言った手法がある事を思いつく事ができなくなってしまいます。
この様にセッティングとは、必ず目的があって(入り口)、解決策を立案、実行し(過程)、効果を検証(出口)すると言うプロセスを辿ります。 サーキットで初心者ほど、入り口を考えずに解決策と出口だけを考えてしまいます。 こうなると何を解決したいのか決まっていないのに、解決策だけを考えてしまいます。 つまり◯◯鮮から出てくる事はありえません。
サーキットあるあ① 「この前より曲がらない」→ちょっとフロント抜いてみよう〜。 この場合、まずバイクよりも考え方を曲げる事がスタートです。そうすればバイクは曲がる様になりますw 北朝鮮から出てくる事はないでしょう〜。詳細は後ほど。
2-2.バイクをセッティングする目的のまとめ
まだ序章なんですが、街乗りにおいてもサーキットにおいてもセッティングする時には「目的」が明確かつハッキリしている事がとても重要です。 そしてこの目的は仲間に話した時に、簡単に理解してもらえるような単純な言葉になっていればいるほど、良いです。
- もっと足をべったり着かせたい。
- レバーに指を届くようにしたい。
- 長時間乗ってもお尻が痛くならないようにしたい。
- 立ち上がりでタイヤがスピニングしてもコントロールできるようにしたい。
- ブレーキングで尻振りダンスを止めたい。
など、具体的で誰が聞いても分かる「目的」を明確化する事が、上手なセッティングを行う第一歩であり、入口です。
サーキットで初心者ほど、サスをいじくる事が目的になってしまうパターンに陥っています。 サスをいじるのは、目的を達成するための方法でしかありません。 くどいようですが、目的じゃありません!!
3フロントサスペンションの機能
3−1.緩衝機能
サスペンションのお陰で、ショックを和らげてくれたり、乗り心地が良くなったりする。 ってイメージを持っている方も多いと思います。 それは100%正解なので、そのまま覚えておいて下さい。 この乗り心地を良くする機能を、「緩衝機能」と言います。
3−2.支持位置決め機能
この名前を聞いても普段のダベリングの中で出てこないので、ピンとこないと思います。 どう言う事かと言うと、オートバイはバネの上で浮いている状態で走行しています。 その為この機能が必要不可欠なんです。 …どゆこと??
まず、自転車を思い浮かべてください。 良く見るママチャリには、前後サスなんて付いていませんよね!? 俗に言う「リジット」と言うタイプで緩衝機能はタイヤが果たしてくれています。 ペダルが重くなるのが嫌で空気圧をパンパンにすると軽くこげる。だけど歩道と車道にあるギャップを通過すると…おちりがイタイ…。
ここで高級チャリの出番! 前後にサスペンションが装備されています! ギャップを通過するとあら不思議! ちっともおちりが痛くなーーい!٩( 'ω' )و この時、なぜおちりが痛くないかと言うと、ホイールの動きと、車体の動きがバネによって違う動きをしている事が理由です。
でも、バネだけでは、バネを挟んて装着されているそれぞれの部品の位置が決まりません。 どゆこと??
下の写真をみてください。 きっと誰しも小さい時に近所の公園で大変お世話になった事と思います。
バネ下は地面と接続されています。 バネ上はバイク本体と接続されています。 間にバネがある事でショックを和らげてくれますよね!?
めちゃくちゃカッコいいヘラーり! この馬に乗った時にはどんな動きをするでしょうか??
バネのお陰で、もしエンジンが掛かって走り出したら路面のギャップは吸収してくれそうですね! でも…このままではライダーの姿勢を保つ事ができません。 バイクは自由自在にどんな方向にも伸びたり縮んだりしてしまいます。 そこで‥! これならどうだ!!
紅のセンダボと同じようにバネを使っていますが、このタンデムマシンでは、黄色の矢印が示す方向しか動く事はできません。(バネを使って回転運動ができる!) 支点が存在する事で前後や左右には全く身動きが取れないですよね。 バイクのサスペンションは、バネとバネの力を利用して動く方向を決める、「支持機能を併せ持つ事でシステム化」しています。
位置決め機能は俗に言う「シャコチョウ」ですが、ここでは割愛します。
4.フロントサスペンションの構造
4-1.構成部品名称
ここではセッティングの話なので、最も多いテレスコピック型に付いて簡単に説明します。 *内部構造(カートリッジなど)と機能の詳細は上級編で解説する予定です。
部品名称の中でも特に良く聞く調整機構が、3つあります。「プリロードアジャスター」、「テンションアジャスター」、「コンプアジャスター」の3つ。 まずはこの3つの部品を覚えてください。 最近のSS車は電子制御や、BPF、BFFなど内部構造が大きく変化する過渡期にあります。 しかし調整する機構は基本的に先に記した3つしかありません。
手法と仕様が変化しているだけで、目的は変わりません。
5.プリロードアジャスターの構造と機能
5-1.プリロードアジャスター
この部品は別名「イニシャルアジャスター」とも呼ばれます。 サーキットでは略して「イニシャル」と言っているライダーが多いですね。 「プリ」と言う人も居ますが全て同じ意味です。
この調整機構は回転式になっているので、ソケットやスパナなどで調整部を回転させると、中に入っている「バネのセット長」が変化します。
5-2.プリロードアジャスタを掛ける(締める)と、何がどうなる?
バイクメーカーが発行しているオーナーズマニュアルには「バネを硬くする」と表記して居ます。 が、「バネ反力の高い位置を使用する」と表現するともっと正確です。 バネを硬くする事を正確に現す行動は「バネ定数(バネレート)を高くする」事になるからです。
バネレートとは、バネを1mm縮める為に必要な力はどれだけなのか?を表した数値です。 例えば、1kg/mmのバネレートだとすると、1kgの重りをバネに載せると1mm縮むバネだよ! と表しています。 このバネを5mm縮める為に必要は力は5kgとなります。
バイクにライダーがまたがって乗るとサスペンションが沈みますよね。この時バネは縮んでいます。プリロードアジャスタとは、ライダーが乗っていなくてもサスの中にあるバネを縮んだ状態を作り、調整ができる機構です。
5-3.例題を基に説明するとこうなります。 条件は下記の通りとします。
- バネレートは1kg/mm
- フロントサスのストロークは100mm
- フロントフォークの真上にライダーが乗る事とします(極端でゴメンなさい!)
- 姫ライダーの体重は50kgです。
プリロード無し
姫ライダーがフォークの上に乗ると、1kgで1mm縮むレートなので、50kgの体重ならフォークは50mmストローク(縮む)する事になります。 (現実はフォークが2本なので25mmストロークですが、今回はわかりやすく1本とします。)
プリロードを10mm掛けた時
10mmのプリロードが掛かっている(バネが10mm縮んでいる)時は、10kgの重りを載せてもサスは縮みません。11kgの重りを載せると、1mm縮みます。 8kgでも9kgの重りでもサスは縮みません。
ここがサスのよくわからなくなってしまう第一ポイントです! 少し踏ん張ってください!!
プリロードアジャスタのおかげで、サスペンションはストロークしていないのに、バネだけ10mm縮んだ状態を作り出しています。
つまりこの時サスペンションはフルストロークの100mmが残っています。
この状態でサスを1mm縮めるとします。 → バネは11mm縮められる事になりますよね!?
話を姫ライダーへ戻します。
姫ライダーの体重は50kgでしたね。 ですから姫がサスの上に乗ると、バネは50mm縮みます。 これは変わりません。
でも。。。サスペンションストロークは40mmになるので、プリロードを掛けていない時よりストロークが10mm減りました! (50−40=10)
なぜサスペンションストロークが40mmになるのか!?
プリロードが10mmですから、サスが1mm縮むには11kgの荷重(重さ)が必要です。
・サスが10mm縮むには20kgの荷重が必要です。
・サスが20mm縮むには30kgの荷重が必要です。
・サスが40mm縮むには、何キロの荷重があればよいでしょうか??
正解は50kgですね! この時、サスストロークは40mmですが、バネはサスの中で50mm縮んでいます。
そしてサスがフルストロークの100mm縮めるには、110kgの荷重が必要です。
5-4.プリロードアジャスタのプチまとめ
- ライダーが同じ(ライダー重量が同じ)なら、バネが縮む長さ(縮み代)はイニシャルを変えても変わらない。(バネレートが同じなら絶対同じ)
- 変化するのは、バネの縮み量に対して、サスペンションのストローク位置(量)が変化する。(車高が変化する)
*よくある勘違いとして、プリロードを変えて、コースインしブレーキングしたと仮定します。
この時ライダーが同じ(荷重が同じ)で減速Gも同じだった場合、バネが縮む長さの総量は変わりません。 バネが縮んだ量に対してサスのストローク位置が変化します。 つまり「バネは全く硬くなっていない」のです。 ニュアンスとして硬いと表現する事は多々あるので、混乱しやすいポイントです。
つまりライダーが同じ(荷重が同じ)なら、イニシャルを目一杯掛けても、目一杯抜いても、どちらもバネが縮む長さは絶対に同じなのでなにも硬くなっていません。 変化しているのは、サスペンションのストローク位置のみです。 ここは、ベテランでも勘違いするポイントなので重要です。
6.TENアジャスターの機能と構造
読み方は「テンションアジャスター」と言います。別名は「リバウンドアジャスター」どちらもサスペンションが縮んだ後の「伸びる動作」を示す言葉です。
フロントフォークの中には、スプリングの他に、オイルと注射器が2つ入っています。 その2つの内、一つが小さな穴の注射器。 もう一つは少し大きな穴の注射器です。
TENアジャスターは、この小さな穴の注射器の穴径を大きくしたり小さくしたりして調整できるようにしてあります。 ではなぜ注射器が必要なのか?? それはバネの特性で宜しくない特性がある事が理由です。 一体どんな特性?
自由落下するバネの動き。直ぐには止まらずしばらくボヨンxボヨンする。
この映像は永遠に動いてしまいますが、バネに与えたチカラを解放すると、行ったり来たりします「びよ〜〜〜ん、びよ〜〜ん、ぼよ〜ん…」と少しづつ振幅が小さくなりながらやがて静止します。 このままでは、バイクにバネを使うと、ギャップを拾うたびに「ボヨンxボヨン」してしまい調子よくありません。
このボヨンxボヨン動作を止める為に、ある液体を使って摩擦を発生させます。 その摩擦の発生源が注射器なのです。
注射器のピストンを押し込むと、針からクスリが出てくる仕組みです。 そう、スポーツドリンクに溶かして静脈にぷすッとやると具合いいヤツ♪ …じゃなかった!
液体を小さな針から押し出そうとすると、抵抗が大きくて一気に全てを出し切る事ができません。 8耐の決勝が終わってさあ帰ろう!と思って駐車場から出ようと思っても前が糞詰まり状態で出口にがパンク状態になりますよね??
そして我先に! とアオリ運転&割り込み運転が生まれ、摩擦が生まれるww 液体も全く同じで出口が小さな穴一つだと、みんながその穴へ殺到して液体同士がぶつかり擦れ合います。 その時運動エネルギーが摩擦熱へと変換されて大気へと放出されていきます。
その液体は、ドロッとしていればしている程、抵抗が大きく発熱も多いので水ではなくオイルを用いてエネルギー変換を行います。 また内部の金属部品の摩耗を防止する働きも必要なので、やはりオイルが担っています。
この注射器のピストンを押すチカラが一定だとすると、針の穴が小さいほど同じ量の液体を押し出す時間が長くなります。 逆に針の穴が大きいほど押し出す時間は短くなります。
テンションアジャスターは、フロントフォークが伸びる時にオイルが通過する穴の径を大きくしたり、小さくしたりできる調整機構です。 この穴を調整する事でオイルが通過するスピードが変化し、強いてはサスペンションが伸び上がるスピードを調整する機能を持っています。
また、注射器のピストンを思い切り押して一気に液体を針から出そうとすると、大きな抵抗がかかりますよね? つまり抵抗(減衰力)はスピードによっても変化します。
- フロントフォークが伸び上がる時の抵抗(スピード)を調整できる。
- オイルの温度や粘度によって抵抗(スピード)が変化する。
- サスペンションが動かされるスピードによって、抵抗(スピード)が変わる
③のサスペンションが動かされるスピードは、伸びる方向の場合は基本的にはバネ反力しかないので、ある程度スピードを限定する事ができます。 しかしコンプレッション(フロントフォークが縮む側)は路面のギャップを拾う時など、外力の影響をより大きく受ける事になります。
同じギャップでも、50km/hで通過するときと、150km/hで通過する時では、フロントフォークがギャップによって縮められるスピードが速くなります。 ストロークスピードが変化すると、減衰力もまた変化します。
例えば、サーキットでラップタイムが上がってくると、今までのフィーリングと同じにならない理由はココにもあります。 逆にタイムが出せない時ほどバイクが違って感じる要因にもなり得るという事です。
7.COMアジャスターの機能と構造
呼び方は「コンプレッションアジャスター」と言います。 この調整機構は「フロントフォークが縮む時」の事を表しています。 縮む事を英語で「圧縮する」と言う事に由来しています。 TENの説明にもあったように2つある注射器のうち残りの一つを、フォークが縮む時専用に使っています。
この時の注射器の穴径は、TEN側に比べると少し大きめに作られています。 なので発生する抵抗(減衰力)はTEN側よりも少し小さいです。 その理由はTEN側でバネのボヨヨンを抑えてくれている事と、フロントブレーキのコントロール性を高める為に、ある程度素速くサスがストロークする必要がある事です。
- フロントフォークが縮み込む時の抵抗(スピード)を調整できる。
- オイルの温度や粘度によって抵抗(スピード)が変化する。
- サスペンションが動かされるスピードによって、抵抗(スピード)が変わる
基本的には、Ten側と同じ構造なので、同じ機能です。 (減衰力や特性は違います)
8.セッティングは手段
バイクは人間が操る事で走ります。 少し冷たい言い方をすると、人間が操って動かす。 つまり道具なのです。 で、大工さんに話が繋がるのですが、良い道具を持てば素人でもいい仕事ができるか? と聞かれれば、「そうじゃない。」と誰もが思うのではないでしょうか。 もちろんホームセンターに売っている大工道具でも本当のプロは使いこなす事ができるでしょう。
しかし、プロがプロの道具を使うと、相乗効果でもっと高いクオリティの物がより正確に、より早く作れる事にあると思います。 そこには、「思い通りに道具を操る」要素も含まれる事は想像に難しくありません。 これはバイクでも同じです。
サーキットではタイムと言う名の「絶対神」が存在します。 しかし一般公道には存在しません。
もしあるとすれば楽神護(たのしんご)と言う名の、その日もっとも楽しんだライダーが神となる絶対神でしょうw。 つまり一般公道では、「バイクライフをもっと楽しく快適に操縦する事」が目的であり、その方法の一つにtwがあり、美味いものツーリングがあり、ライディングがあり、サスセッティングがあるのだと思っています。
サスセッティングをまだやった事のないライダーへ持ってもいたい、おすすめの目的があります。 それは
目的=「サスセッティングの最強と最弱を体験し、感じたフィーリングを今後のダベリングネタとする」です。
この目的なら速く走る必要は全くないですよね! しかも最強と最弱で何を行うか明確です。 その結果を都民の森、スカイポート亀石、どんぐりの里いなぶ、針テラスで仲間に披露したらミッションコンプリート!!
ぜひこの目的を持ってTRYしてほしいと思います。 最強と最弱を一気に変えるとフィーリングが嘘のように変化します(良いが悪いかは別) これを経験するだけでもかなり世界が広がりますし、バイクって面白いな〜!! ときっと思えるはずです。 ホームコースがあるならそこで、いつもの6割くらいのペースで十分感じられます。むしろまたがった瞬間から違う。。
通勤ルートならギャップの位置や速度もいつもと同じように通過すれば更に違いがよく分かると思います。
最強と最弱一気に変えても何が不具合が起きる事はありませんので、安心してTRYしてください。 (リアタイヤの純正サイズが50扁平の方で、55扁平に変更しているライダーはタイヤとの各部クリアランスを注意してください。)
9.フロントサスのアジャスターを調整(セッティング)するとどうなるか?
9-1.イニシャルセッティング
項 目 | 変 化 |
掛ける
(締め込む) |
強いブレーキを掛けてもノーズダイブしにくい。
二人乗りの時など車高を上げる事ができる Rrタイヤに荷重を掛けられる。 Frタイヤへ荷重が乗りづらい。 |
抜く
(緩める) |
ブレーキングの時、Frタイヤへ荷重を掛けやすい。
キャスターアングルが立ち、実舵角が増える。 車高を下げる事ができ、足つき性が良くなる。 Rrタイヤへ荷重を移しづらい。 |
あえてネガな部分は一つしか記載していません。 続編では書こうと思います。
9-2.テンションセッティング
項 目 | 変 化 |
掛ける
(締める) |
ブレーキリリース後の姿勢変化が緩やか
切り返しでバイクが安定する。 全体的にバイクの動きがスローになり、重さを感じる。 |
抜く
(緩める) |
ウェイトトランスファーが良くなる。(前後タイヤへ荷重を切替え易い)
切り返しでバイクがキビキビ動き、軽さを感じる ギャップに弱い。(ぽよんポヨンしやすい) |
えてネガな部分は一つしか記載していません。 続編では書こうと思います。
9-3.コンプレッションセッティング
項 目 | 変 化 |
掛ける
(締める) |
強いブレーキを掛けたときに減速Gをコントロールしやすい。
弱いブレーキの時、Frタイヤへ荷重が移りにくい。 路面のギャップがよりダイレクトに伝わってくる。 |
抜く
(緩める) |
弱いブレーキでのFrに荷重がしっかり移る。
乗り心地が良くなる。 抜きすぎると、ぽよんポヨンする。 |
10.初心者は、ベテランのウザい指摘は完全無視しよう!!
街乗りでも、サーキットでも同じです。 セッティングに「傾向」はあっても「正解」はありません!!
唯一正解を決められるのはそのマシンのオーナーです。 セッティングについて知っているベテランほど、「それじゃバイクが曲がらなくなっちゃうよ~!!それはダメ!!」なんて決めつけちゃいます。 こうしたらこうなる! なんて事が誰にでもあてはまる訳がありません。 もし当てはまるとしたら、マルケスセッティングを真似れば誰でも速く走れるって事ですよね!?
現実にそんな事はありません。スピードレンジや、タンデムの有無、季節や気温など様々な環境が異なる中でコレが正解! とか絶対こうした方が乗りやすい! などと他人のバイクを乗ってもいないのに分かるわけがないんです。 この事を踏まえた上で・・・
>初心者の方へ
基本的に上から高圧的な態度で「そんなのダメ!」などと全否定してくるパイセンは、実は可哀想な人なのです。 その昔、パイセンが免許取立てでバイクを買った時には今の貴方と同じ気持ちでした。 純粋にもっと上手くなりたい! もっとバイクを知りたい! と思う気持ちはいつの時代も変わりません。 でもその時代にはネットが無く、情報は「本」か「怖いパイセン」から得るしかありませんでした。 「オマエはいーから黙っとけ!カラスは白いと俺が言ったら白なんだーー!!」の時代です。
だから今の若者が羨ましいだけなんです。 そう思えば、何もムカつく事はありません。なぜならその時代から変化できない可哀想な人なんですもの。(大型至上主義もこのパターン)だから、なるほど! それは参考になるぞ! と思った事だけどんどん吸収してください。
そしてオジサンさんライダーはスゴイバイク好きである!事も知ってもらえると嬉しいです。 学生時代には「こんな楽しいバイク止める訳ね~だろ~」とみんな口を揃えていました。しかし事故を経験し、彼女ができ、ついに鬼嫁が誕生するとバイクを休止する人がほとんどです。 さらに子供がうまれればね~。。。 そんな厳しい逆境を乗り越えるくらいのガッツをもった人、それがオジサンライダーです。 降りる理由を探せばいくらでもある世の中、バイクに乗り続けるってカッコイイですよね!? ちょっとイラつくかもしれないけど、バイクと人生を安全運転し続ける事は最も難しい事です。
もし、ベテラン&オジサンライダーの話を聞いて、参考になった事が一つでもあれば「凄い参考になりました!ありがとうございます!」とベテランに伝えて頂けると、めっちゃ嬉しくてご飯を奢ってしまうかもしれませんが、悪しからず。
>ベテランの方へ
自分の経験値はもちろん語って欲しいし聞きたいのですが、初心者のセッティングはアドバイスをお願いします。 決めつけは不要です。初心者はベテランが思っている以上に、ベテランの意見や経験を必要としインプットしています。 ベテランだからこそ、初心者のまだ知らないバイクの楽しさと面白さを引き出して欲しいと思います。 「最後は大型乗らなきゃね~!」ではなく、「大型乗りのパイセンが語る、250ccバイクの楽しみ方、扱い方」をメッチャ知りたいんです!!
初心者も大型には興味を持っていますし、バイクの話を聞きたいと思っています。 最近の若者はとても礼儀正しくマナーが良いので、「ガッハッハー!!」なおじさんには嫌悪感しか抱きません。 でも若者も、ベテランの事をよーーく見て観察していますし、ちょっと怖いオーラが出てて話しかけづらいだけなんです。
だから、「君のバイク、かっこいいね!買ったばっかりなの?乗ってみてどんな感じ?」と話しかけてもらえると嬉しくてtwフォロー&RTしてしまうかもしれませんが悪しからず。(お金ないからジュースは奢れないww)
是非、ベテランが持っている英知をこれからバイクを楽しむ初心者へ受け継いでいけたら、こんなに嬉しい事はありません。 ベテランは活躍の場が増えるし、初心者もバイクを楽しいと思ってもらえて、市場が活性化すればメーカーの開発ラッシュも始まるでしょう!!
フロントサスセッティングのまとめ
まず、機械であるバイクをどうしたいのか? という目的をハッキリと明確にする事がサスセッティング(バイクセッティング)の第一歩です。
そこから達成手法、解決手法を見出し、TYR&実践。 次にセッティングした結果刈り取り、検証して次のアクションを決める。
このループを維持していれば、少しづつ理想のマシンに近づけます。
同じセッティングなのに、今日はフィーリングが違うな~?? となるところがバイクの面白さの一つだと思います♪♪
もし分かり難い表現があればコメント欄に記載して頂ければありがたいです。 もっと分かり易く説明できるよう、継続して内容を改廃していきます。
長文、最後までご覧いただきありがとうございました!
Let's Fun! Ride! Run!
Andy