冬のライディングは冷えゴケに注意! わかってたハズなのに冷えゴケしちゃった! え!? って思ったら空飛んだよ!
二輪館の1コーナーでスリップダウン・・・。
こんにちは! !@Andyです。
冬のバイクは冷えゴケが一番怖い! HRCのワークスマシンを乗るようなプロライダーでも冷えゴケする事はありますし、全日本ライダーも例外ではありません。
じゃタイヤはいつ温まってんの!? どの程度走ると温まるの? 初心者だからよく分からん! 温まる目安を教えて!
ここにフォーカスして実験をしてきたので結果をご報告いたします♪♪
記事の目次
1. タイヤ温度計測の目的
- 走行中のバイクタイヤ温度変化を把握し、冷えゴケを予防する
- タイヤ空気圧違いによる、タイヤ温度の変化有無を確認する
2. 結論
- 走行開始2kmでタイヤ温度22.1℃まで上昇しサチレートする。 真冬&街中の条件では安心温度の35℃に遠く及ばず常に冷えゴケのリスクを抱えていると言える。
- タイヤ空気圧をFr-0.2k、Rr-0.4k下げて走行した結果、サチレートする温度に明確な変化は認められない。
真冬&街乗りの条件においては影響はほとんど無いと言える
※サチレートとは:「飽和」の意味でこれ以上変化しなくなる事を言う。
冬のタイヤ安心温度は36℃
安心温度はAndyの経験則の温度です。 科学的根拠はありません。
HONDAのテストコースを10年走り込んできましたが、往年のベテランライダーから教わった「冬は人肌まで温めてからテストしろ」が基になっています。
自分の体温より高いか?低いか?は手で触れば誰でもわかりますよね。 (熱ある人のオデコ触っただけでも熱があるかないか、誰でも分かる。→この時約2℃の変化を感じ取れる)
同じようにテスト走行に入る前、タイヤを手で触って確かめる方法です。 自分と同じ温度ならOK。 低ければまだ温まってない。
レース用のスリックでもやはり36℃は欲しいところ。
街乗りタイヤは実際にはもっと低い温度でも機能してくれるので、安全マージンを考え「自分の体温と同じ=安心温度」とAndyが定義しています。
3. テスト条件
今回のテストは太陽がしっかりと日差しを出す条件で実施。 信号待ちではなるべくタイヤに日光を当てないよう配慮して走行しました。
条件1. 計測ポイント
前後タイヤをそれぞれ3カ所測定。 センターとエッジ部での差を見極める。
条件2. 往路
- テスト車:ZRX1200R 2009年モデル
- ガソリン:満タン
- ライダー重量:70kg(装備含む)
- 車重:約250kg
- タイヤ
・Fr:BT016Pro 120/70ZR17 Air2.5k
・Rr:BT016Pro 180/55ZR17 Air2.9k - 急加速はせず、クルマの流れにそって走行。
- ブレーキはエンジンブレーキを多用し減速
- 外気温:約10.5℃
- テスト時間15〜16時
- 天候:快晴
- テスト道路:国道302、41号 ※愛知県
条件3. 復路
- テスト車:ZRX1200R 2009年モデル
- ガソリン:満タン
- ライダー重量:70kg(装備含む)
- 車重:約250kg
- タイヤ
・Fr:BT016Pro 120/70ZR17 Air2.3k
・Rr:BT016Pro 180/55ZR17 Air2.5k - 急加速はせず、クルマの流れにそって走行。
- ブレーキはエンジンブレーキを多用し減速
- 外気温:約10.5℃
- テスト時間16〜17時
- 天候:快晴
- テスト道路:国道302、41号 ※愛知県
条件4. 計測機器
放射率を変更できる仕様の物を探し、Amazonで購入しました。詳細↓↓
- 放射率設定は0.94 ※光沢無し硬質ゴム
- 外気に4時間晒してから使用 ※本体温度と外気温に差があると正しく計測できない
やっぱりタイヤはバイクの基本なので信頼性が一番!!
4. テスト結果
バイクのタイヤ温度を約1km毎にプロットしたデータを作成。
結果1. 往路
- スタートし、1km走行時点でタイヤ温度は急激に上昇する。
- 信号待ちの時間が長いと下降し、短いと上昇する傾向にある。
- 今回の外気温約10℃では、安心温度36℃には遠く及ばない→ 街中では常に冷えゴケの危険性がある!!
- 平均温度を見ると、タイヤサイドは、センターに比べ温度は半分しか上昇しない。
- ワインディング走行において、サイドを温めるにはセンター温度が体温以上で有ることが必須!!
結果2. 復路
- Frタイヤにおいては、約1.1℃の温度上昇が認められるが大差ではない。
- Rrタイヤに比べ、Frタイヤは温度変化が大きい。→理由は走行風を受けやすいこと、エアボリュームが小さく変化率が大きい事が考えられる。
- Rrタイヤは空気圧を下げても温度はほぼ変化無しと言える→明確な上昇は認められない。
- やはり走行開始1kmで急激にタイヤ温度が上昇する。
結果3. タイヤ温度の下降時間
豊山二輪館に到着したのが15:56分でした。 そこから外気温までタイヤが冷えるまで何分掛かるか時間を計測
※詳細はYou Tubeにアップします。
当日は風もそこそこあり、温度下降時間も早かったと考えられます。 しかし山などの標高の高い場所ではもっと早い事が十分考えられます。
街中で10分経てばタイヤはキンキンに冷えてしまうので、出発するときはタイヤの温め直しが必ず必要である事は間違いありません。
5. タイヤ温度計測テストまとめ
テスト前の予想は、街中走行でも外気温が10℃あれば36℃には到達するだろう。 距離にして約5kmで温度上昇はサチるか? と考えていました。
しかし実際には23℃程度しか上昇せず、しかも走行後1kmでデータはサチる結果でした。
やはり現代の最新ラジアルタイヤはをームアップ性が良いんだなと改めて関心。 ここは各社タイヤメーカーの技術開発が進んでいるのだと感じます。
シリカが入っていないサーキット用スリックは温度依存度が高い&温まりにくく、温度に依存しますが、街乗りタイヤは温まりが早い!
但し、街中の走行においては安心できる温度には達しない事を肝に銘じて、特に交差点は気をつける必要があります。
急に右折車が飛び出す事は日常ですから、急ブレーキ掛けた時、タイヤが温まっていなければロックして転倒してしまいます。
右折ミサイルは必ず発射されますから、回避すべくいつも以上に制動距離が長くなる事を考慮した運転が必須ですね!!
正直ここまで温度が上がらないとは思っていなかったので、自分にとっては有意義な検証になりました。
次はワインディングでタイヤ温度の変化を検証したいと思います!!
Let's Fun! Ride! Run!
Andy